捧げ物&頂き物

□Sweet Tea Time
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「でも成長したわね 間違いをごまかせるようになったんだから」

未月が作ったアップルパイを手に持った鈴羅が言う。

「サテライトは材料が限られていたので 代用品でいろいろごまかしたりしてましたから」

「成る程?所謂 生活の知恵ね」

「未月先輩って 変わったよな いろいろと」

「へ・・・・・?」

悠の言葉に 未月は目を丸くした。

「ふふ・・・・・っ 確かにそうね」

「そう・・・・・ですか?」

「えぇ」

鈴羅はゆっくりと遊星達の方を見た。
みんな、笑っている。

「あの笑顔を与えたのは 未月 貴方じゃない」

その言葉を聞いて 未月はフッと笑った。
マカロンを一つつまみ、悪戯っぽい笑みを浮かべている。

「さぁ どうでしょう?」

「あら 違うのかしら?」

悪戯っぽい笑顔のまま、未月は鈴羅と悠を見た。

「私は 遊星達と一緒に過ごしてきた それだけですよ」

つまんでいたマカロンを口に含んだ。

「・・・・・、甘い」

それ以外の感想は出て来なかった。
次なる脅威は すぐそこまで迫っている。
それでも せめて今だけは。静かな甘いひと時を。

-END-


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