今日俺
□毎日暑いですね※
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毎日暑いですね。
あああぁ。暑い。
アパートの外では中天でぎらぎら輝く太陽が容赦なく地表を灼きつけている。直射日光こそ浴びてはいないが部屋の中の自分達もすっかり茹だっている。
窓は全開なのにふわりともしないカーテンが恨めしい。
「…中野ぉ、あつい…」
「あー、俺も、あっつい」
「クーラー…」
「ばか。無茶言う…な…よっ」
「…ンっ、んぁっ…ハァ、アー」
そんな茹で上がった部屋で茹で上がった俺たちは、体感温度をさらに上げる行為にふけっている。
真っ昼間からナニやってんだって感じだけど仕様がない。
ふたりで並んで座ってた。
ふとした瞬間、腕と腕がぶつかって。
汗でぬるついた肌触りは、ゆうべの性行為を思い出させた。
ざらりとした感触をふくんだ、中野の薄付きの肉。
指をすべらせると柔らかくてしなやかな筋肉が俺の指先に存在を伝える。
後ろ向きでした時に、この腕が腰をつかんで俺を揺さぶるのかと思うと背筋に甘いしびれが走って下半身に熱が集まっていく。
思わず唇を噛んで、中野を見る。
中野もこちらを見ていた。
たがいの目に情欲の色が宿っていれば、もうどんなに暑かろうが関係ない。
肌を触れあわせた部分から汗が吹き出し、唇の合わせ目から唾液がこぼれ、腰から下はあふれでる精液でぬれていく。
不快感は快感になって快楽を上へ上へと押し上げる。
そんなこと、中野と体をかさねるまで知らなかった。
熱に浮かれて極限まで密着して互いの体に性器を擦りつけあって絶頂を求める。
こんなことを幸せと感じるなんて、中野じゃなかったらきっとなかった。
「……んぁっァ、ア、ア、あっ」
「……イトー…っっ」
必死に背中にすがりついて、近づく高まりを逃すまいと中野に腰を押し付ける。
中野の自分を呼ぶ声といっしょにふたりで精を放った。
「……」
「……」
「……ふふっ」
「…なに笑ってんだ?」
「昨日から何回してんのかなって、俺たち」
「………………さぁ、知んね」
「はは、…俺も。…………シーツぐしょぐしょ。替えようか。布団干して、洗濯して、あとシャワー……っんんー…」
「……あちぃし、まだいいよ。つーか思い出したらまたしたくなった」
「………実は、俺も。」
灼けつく太陽だって敵わない。
吹かない風だってお呼びじゃない。
恋するふたりは無敵で揃って我が道をゆくものなのだ。
おしまい