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□白い兎との馴れ始め
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首領・ヴァレンティーノ
それが私たちの上司だ。
たとえそれが、ヤギであっても、それは変わる事のない事実。

いつも変な想像力を働かし、警察犬である因幡洋を目の敵にし日本に対し変な事をしている。
今じゃ、何をしているのかも首領自身わかってないだろう。
とりあえず、打倒オオカミ的な

そんな中、私たちに新しく仲間、
というか、同盟を組んだ人達が出来た。

その名も「野羅」

その主格であるのが、遥と名乗る男の子
アルビノである彼は、白い毛に赤い目と人離れした姿で、

そして、

綺麗な人だった。


年は私と2歳しか変わらないが、頭脳の方は彼の方が何倍も上だ。
もともと、事務能力しかない私に比べ彼は一つの組織の主格
立場も違えば全てが違うのだ。


「ねぇ首領、遥さん来ないね」
「そうだのう、何をしているのであろー」

縁側でのんびりお茶をすすっている私と首領。
ロレンツォは首領のお使いに出ていて今はいない。

今度の作戦を練るとかで、遥さん達を呼んだのだが…
肝心の遥さんが時間になっても現れないので私たちは暇を持て余している。


「首領、客だ」

ドオッン

「あ、ガブリエラ」
「やっときたであろ〜」

不機嫌なガブリエラが遥さん達の到着を教えてくれたのはいいが…

「どうしたの?いきなり首領を撃つなんて」
「何となくだ、●●も顔を出すのか?」
「…出したいです」
「……邪魔だけはするなよ」
「はい!」

何となくで首領撃たれたんだ。
まぁ、不死身の首領だもん。
これくらい日常茶飯事だもんね、大丈夫だろう。


客間にいるであろう遥さんのところまで早歩きで向かう。
早く会いたいな。
あっちは私の事、ただの事務員の1人程度にしか思っていないであろうが、そんなの知った事ではない。
アピールするのは苦手だが、そんな事言っている暇なんてない。
同盟なんていつ離れるか解らない不確かなモノ
離れる前に少しでも近くに近づきたい。


「こんにちわ!」

スパンと勢いよく襖を開ければ足を崩しながら座る遥さんと、正座をし背筋をピンと伸ばしている夏輝さんと弥太郎さんがいた。

「こんにちわ、首領は?」
「今来ますので、少しお待ちください。お菓子やお飲物お持ちしますか?」
「うん、お願いしてもいい?」
「はい!何が良いですか?」
「う〜ん、甘いものが良いかな。」
「わかりました。夏輝さんと弥太郎さんはどうしますか?」
「私たちの分は平気ッス!」
「…でも」
「うぅ…じゃぁお茶で」
「はい!」

返事をして客間を後にする。
ルンルン気分だ。遥さんに微笑まれた!
それだけなのにこうも嬉しいのは恋の作用なのか?
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