zerodream
□夜霧家の双子
2ページ/3ページ
階段を上がり、広い部屋をさまよって行き着いた先はあの映像の押入れの部屋。
押入れは開かれていた。
私は近寄って押入れを覗いてみた。
「••••••••」
押入れの中の白い布団には夥しい血の跡が残っていた。
その布団の中には日記がおいてあった。
私は手にとって読んだ。
その日記には血の跡が残っている。
『村人が私の事を捜してる。
怖いよ。早く帰ってきて。
蒼海が帰ってこない。
ずっと待ってるのに。
ごめんね、蒼海。
私、とても耐えられないよ。
ごめんね。ごめんね。
私の事はいいから紗重と樹月と逃げて。』
歌海は暗い押入れの中で泣いていた。
ごめんね、と何度も繰り返しながら。
「ずっと一緒にいたかったけど」
歌海は自ら鋏を首もとに突きつけた。
「私が捕まってしまったら蒼海たちは逃げられなくなるもの
だから、私が••••••ごめんね」
鋏を首もとに刺した。
赤い血が目の前を迸る。
涙を流しながら倒れる歌海。
「•••••••ご、めん••ね•••睦月•••」
映像はそこで途切れた。
『ーーー•••』
「!」
→