zerodream

□朽木と鍵
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私たちは蔵のについた。
そこには澪達の姿はまだなかった。


「あれ?澪達まだいないね」

「きっとどこかに寄ってるんだよ
えっと、裏から入ればいいよね」


私達は蔵の裏へと入った。


『蒼海、歌海』

「樹月、聞きたいことがあるんだ」

『聞きたいこと?』


樹月はいつものように鉄格子越しに話し出した。


「蒼海達の家の場所」

『••••••そうか、行くんだね』


樹月は暫く考え込んで口を開いた。


『君たちの屋敷なら暮羽神社の向かいにある』

「暮羽神社の向かい?」

『うん、向かいだよ
だけど、屋敷に行ったのならすぐにこの村から出るんだ
もうここへ来てはいけないよ』


樹月は悲しそうに微笑んだ。


「樹月、ありがとう
僕は君のこと忘れないよ」


蒼海は小さく頭を下げた。


『あぁ、元気に暮らすんだよ』


私は思わず樹月の手を握った。


「樹月、私達がこの村を助けるから
•••樹月や紗重達を助けてあげるから!
だから、だから•••••」


それを聞いた樹月は一瞬驚いた表情を浮かべるが、すぐに悲しそうに微笑んだ。


『••••••ありがとう、歌海
睦月もきっと喜ぶよ•••』

「•••••••っ」

『さぁ、行くんだ』

「いこう、聖音」


私は朔夜に手を引かれて蔵の裏から出た。



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