zerodream
□押入れの中の少女
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その場から離れて私達は次の部屋に行った。
床の下から鈴の音が聞こえてきた。
「鈴?」
「みたいだね」
朔夜は小さな机の上にあった紅い表紙の日記を手に取った。
私は鈴の音の正体を確かめるべく床の下の押し入を開いてみた。
すると赤い着物の袖が見えた。
『••••••歌海お姉ちゃん?』
「••••••え?」
押し入れの中から小さな赤い着物を着た女の子が出てきた。
「えっと•••確か千歳•••?」
『 歌海お姉ちゃん、怖かったよ
押し入れから出られなかったよ』
千歳は私に飛びついて泣いていた。
「どうしたの?聖音」
朔夜が上から覗き込んで私と千歳を見ると目を見開いた。
『蒼海お兄ちゃん?』
「••••••千歳だったっけ?」
朔夜はなれた口調で千歳に話しかけた。
そして、下に降りると千歳と目線を合わせるように座り込んだ。
「ねぇ、千歳
澪•••八重を見なかった?」
『知らない!
あいつのせいでおにいちゃんが』
「八重のせいで?」
『おにいちゃんだけじゃない
歌海お姉ちゃんや##NAME4
##がこんな目に遭ってるのもあいつのせいだ
あいつが逃げたから•••許さない』
千歳はそう言い残すと姿を消してしまった。
「な、なんだ?」
「さぁ••••••」
私たちは澪を探すために屋敷の探索を再開した。
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