zerodream

□霊石ラジオ
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目が覚めて体を起こす。
いつの間に気を失っていたんだろう…。
隣を見ると朔夜がまだ眠っていた。


「朔夜、起きて」

「…………」


体を揺すると朔夜はゆっくりと体を起こす。


「あれ…?
なんで僕らは寝てたんだろ?」

「わかんない……あれ?
机の上に何か置いてあるよ」


机の上には何かラジオのようなものがおいてあった。


「ん?覚書だって…何々」


朔夜は覚書を手に取ると声に出して読み始めた。


「霊石ラジオに関する覚書
このラジオは回路の一部に鉱石を用いることで検波する
"鉱石ラジオ"を改良したものであり
霊界の声を捕えることができるというものである」

「幽霊の声が聞こえるの?」

「…多分ね
…人が長く身につけていた鉱石はその人の想いを宿し目に見えぬ光を放つようになる
それら特殊な鉱石を"霊石"という
麻生博士によるとその霊界からの音はラジオを通さずして聞こえることもあるらしく
人が感じる気配や予感、双子の間に起きる共鳴にも似た同時性などもこの"霊界からの音"によるものであるらしい……だって」


朔夜は覚書を読み終えると机に置いた。
私は机に置いてあった鉱石を見つけ手に取った。


「…綺麗な鉱石だ」

「聖音…それって例の"霊石"なんじゃないの?」

「これが?」


私は息を呑んで鉱石を霊石ラジオにはめ込んだ。
朔夜は恐る恐るラジオのスイッチを入れた。



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