Crossdream2

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クロス元帥の事件から3ヶ月が経った。

クロス元帥は3か月前に謎の失踪をした。
イノセンスと大量の血痕を残して消えてしまった。


それとほぼ同時だった。
師匠はまた任務に行ったっきり音信不通になった。
シオンが必死の形相で僕に伝えてきた。


いつもの放浪癖なのかもしくはクロス元帥と関わっているのか。
この一大事の時に。




―12月 パリ




「はぁ〜〜〜」



ため息をはけば白い煙が空へと上がっていった。



「どうした、アルジェ
そんなにため息をついて」


「ノイズー、自然と出てきちゃうんだよ」



ノイズはそれを聞いて苦笑をもらした。



「ブラッドリー元帥か」


「そーだよ、まったく」



師匠てほんとにわからない。
何を考えているんだ。
いや、最初からわかってなかった。
何年たっても同じ姿だし。



フランスのパリでは雪が降り積もっていた。




「キャッ、すみません」


「気をつけろ」




警部の家を訪ねると警部とその娘との喧嘩が勃発していた。
娘がユウとぶつかったみたいだ。




「••••••••••••」


「•••どけ」




暫くしてもユウの目の前を退かない娘に一言言うと次は警部を見た。




「あんたがガルマー警部か」


「どなた?」


「あ"?」




何を勘違いしたのか警部がユウを睨んだ。
ユウまで警部を睨み返している。
何だ、この人たち。
ノイズを見るとノイズは苦笑して一歩前へ出た。




「ここに我々の身内が勾留されてると聞いたのだが面会させていただけないか?」


「黒の教団!?
なんだってアンタらがこんな所に•••」




僕たちの団服についているローズクロスを見た警部の表情が一変した。
それを見たアレンと僕は小さく微笑んだ。

その後、警部は勾留所へ案内してくれた。




「悪いが釈放はできない
おたくらの身内は俺が追ってる事件の重要な容疑者なんでな」


「まずは話をさせてもらってから
釈放はその次の段階だよ」




そう言って中に入ると牢の中一面に同じ格好をした人が沢山入っていった。




「この中のどっかにいるだろうから捜してくれ•••••••••」


「「!??」」


「なにコレ!?」


「ハロウィンか、ここは」


「随分と時季はずれのハロウィン」




あーあーあー、無理だろ。
こんなにたくさんわんさかと。
見つけるのに時間がかかる。




「警部、この集団は?」


「••••••俺が捕まえた怪盗Gだ」




怪盗Gって今かの有名な怪盗、ね。
うーん、格好にセンスがないというか。



「"怪盗G"?
パリを騒がしてる、あの?
捕まったんだ!?
しかもこんなにたくさん!?」


「ちがう!!オレたちゃGじゃない!!」


「Gにされたんだ!!」




牢の中にいる怪盗Gたちは警部にたかった。




「いいや、警部•••
いくらアンタでももういい加減気づいてるはずだ
ワシらの言ってることが真実だとな
怪盗Gはフツーじゃない」


「は?ナンノコトカナ?」




怪盗Gの1人が警部に訴えるが警部はまるで聞く耳をもたなかった。




「話が全然見えねぇ」


「僕ら置いてかれてますね」


「まったくだ」



よくわからない状況に僕は頭をひねる。
すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。




「エクソシスト•••••••••?
そこにいるのはエクソシストか!?
来てくれたんかっ」


「助かった


「マジ助けてください




後ろを振り向けば通信が途絶えた人たちが泣いていた。




「ジジ!?ファインダー部隊も!!」


「テメーら何やってやがる」




ユウは牢を蹴りあげる。




「わーんっ
ごめんなさいぃぃっ!!
自分たちもなにがなんだかサッパリで•••」


「この街の人間に奇怪なことが起こってるってんでイノセンスじゃねェかと調査しに来たんだよ」


「コムイから聞いてる
そのあとお前らからの通信が途絶えたってな」


「なにがあった?」


「調査をしてたハズなんだ!
なのに気づいたらかんなカッコで牢にブチ込まれてて•••••••••」


「「ハァ??」」




ジジたちが言っていることはさっぱりだった。




「面目ない!!だがしかし!
ここに収容されたおかげで我々は1つ大きな確信を得た!
今回のイノセンスは"怪盗G"と関係してるぜ!!」


「「•••••••••」」




ユウ、アレン、僕はジジに疑いの目を向けた。




「なっ、なんだよ、その目は!
こんなアホみたいなカッコしてるが言ってることはマジだぞ!!」


「で?その確信のモトは?」


「この方はボネール姉さん
オレたち囚人のボスだ!
Gの容疑者としてもう3ヶ月もここにいらっしゃる」




牢の中にいる人たちが道をあけると何か奥から濃い人が出てきた。




「ジジちゃん
この子たちがあんたが言ってたエクソシスト?
可愛いじゃなあい


『『"姉さん"••••••••••••?』』




うーん、どこをどう見てもこの人男じゃないか?
あぁ、あっち系の人。




「"怪盗G"は人間じゃないわ•••
その名の通り"G"HOSTよ
奴についてわかってることは3つ
イカれたコスプレと犯行前日に必ず送りつけてくる予告状
そしてGには肉体がない
だから誰かの体を使ってドロボウすんのよ
そこのバカ警部がいくら捕まえたって次から次に新しいGが現れんの」


「デタラメ言ってんじゃねェ、ボネール!
そんなこと言って罪を免れたいだけだろうが!
アンタらもう面会済んだろ
とっとと帰ってくれ!」




警部がそう言うと牢から伸びた手がアレンを掴んだ。




「ヤダ――――――っ!!
帰っちゃヤダ――――っ!
ここから出して下さいよっ」


「どう思う?」


「彼らや囚人たちの心音からは嘘を言ってる様子はないしな•••」




こんなアホみたいな格好をして必死に嘘をつくのもどうかと思うけど、と内心思ったが、いやいやと首を横に振った。



「コソ泥だろうがゴーストだろうがイノセンスなら回収するまでだろ」


「右に同じー」




ユウの意見に賛成して手を挙げると、警部が鬼の形相で怒鳴った。




「ちょっ!?なに言ってんの!?
これは俺のヤマだ•••」


「警部!!予告状がまた•••」


「!」




1人の警官が持ってきた手紙を見て警部は言葉を止めた。




「!」


「キタぜ•••また•••」


「怪盗Gからの予告状が届きました!」





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