Novel
□無自覚
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「…逸人?」
名前を呼ばれて はっと我に帰る
「あんま見つめられると落ち着かねぇんだけど」
どうやら僕は無意識の内に経一を凝視していたらしい
「え?あ、悪い」
ああ またか
はぁ…
思わずため息が出てしまう
最近こんなのばっかりだ
気が付くといつも経一の事ばかり考えては惚けている
酷い時は一人でにやけていたり、顔を真っ赤にして照れていたりするそうだ(アシタバ君談)
一体僕はどうしてしてしまったのか
新手の病魔か何かだろうか
いや、でも気配は無いし…
ふいに経一の笑顔が視界に入る
同時に起こる心臓の高鳴りと不整脈
これは
『恋…なのか?』
僕がこの気持ちに気づくのは もう少し後の話。
end.