Novel
□寝起きドッキリ大作戦〜side.虎〜
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「どもっ!!お馴染みワイルドタイガーです!!今回は俺がバニーちゃんにドッキリを仕掛けたいと思います!!」
カメラに向かってリポーターを気取る。
とは言っても、スマートフォンのムービー機能を利用した自分撮りである。
だってしょうがねぇじゃん、企画が俺には回ってこなかったんだもん。
今、俺はバニーが住んでいるアパートの玄関前に立っている。
寝起きドッキリを仕掛けるためだ。
ついこの間、俺はバニーに寝込みを襲われて朝からとんでもない目に遭った。
話に寄れば番組の企画だったらしいが、アニエスさんが「こんな映像流せないわ」とか言って結局没になったそうだ。
バニーはバニーで「貴方が朝から可愛すぎるからいけないんです」とか意味の分からない事を言う。何だそれ。
おじさん、現代っ子はよく分からない。
つか、もっと別の驚かし方もあっただろ。
なんでいきなり「襲う」の一択なんだよ。
まぁ違う意味でびっくりはしたけど。
一つまり、これはあくまで個人的な仕返しだ。
やられたままなんて冗談じゃない(今回は特に)。
「見てろよバニー…絶対驚かせてやるからなっ!!」
俺は宣戦布告をして、バニー宅の玄関のドアノブに手を掛けた。
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