Novel(捧げ物)

□I love you!(保神/明日逸)
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放課後の保健室。
いつもと同じといえば同じなのだが、しいて挙げるとすれば、違うところが一つ。



「はい、アシタバ君」

「ありがとうございます」



逸人の差し出した湯呑みは一つ。
アシタバがその一つを受け取った。


今 保健室に居るのはアシタバと逸人の二人だけ。
他のメンバーは皆、用事があって今日は来ていない。



「アシタバくんだけって、なんだか珍しいねぇ」

「そういえばそうですね。いつもは大体藤くんがベッドで寝てますから」

「ふふ、それもそうだね。ああ、お菓子もいる?」

「あ、じゃあいただきます」



ほのぼのとした時間が流れる。
それはいつもより静かではあるものの、穏やかで満たされた時間だった。









どれくらい時間が経っただろうか。

アシタバはちら、と今まで湯呑みに向けていた視線をシンクに立つ逸人に移す。



『…今なら、』



そしておもむろに立ち上がった。
ゆっくりと逸人に歩み寄る。
その気配に気付いた逸人はマグカップを洗っていた手を止めて振り返る。
そこには少し俯き気味のアシタバが立っていた。



「アシタバくん?」



二人には身長差があるため、今の状態だと逸人にはアシタバの表情が見えない。
逸人は心配そうにアシタバの顔を覗き込むようにしゃがんだ。



「アシタバくん?どうかした…っんぅ!!?」



次の瞬間、逸人の唇に柔らかいものが触れた。
触れたものがアシタバのそれだと気付くには時間がかかった。


ゆっくりと押し倒され、ついにはアシタバが逸人に覆いかぶさる体勢になる。


状況を理解した途端、我に返った逸人がアシタバの肩を押し返した。



「あ…あああアシタバくん!!?」



あまりの事に顔を真っ赤にして、口をぱくぱくと開閉させる逸人。
その瞳は信じられないという風に揺れていた。



「だって先生、こうでもしないと気付かないじゃないですか」

「へ…?」

「僕、先生のことが好なんです。ずっとずっと好きだったんです」


思いがけないアシタバからの熱烈な告白に逸人は赤かった顔を更に赤くする。



「そっ…それは…やっぱりそういう『好き』なの…?」

「はい、そういう『好き』です。…やっぱり直接言わないとダメだったみたいですね。先生、どんなに僕がアピールしても気付かないんですから」



恥ずかしいのか、震えた声の逸人にふわりと笑いかけて、アシタバはその体に腕を回して抱きしめた。



「先生、好きです。優しいところ、かっこいいところ、性格、見た目、全部引っくるめて大好きです」





回した腕にぎゅう、と力がこもる。
小さな肩がわずかにふるふると震えている。






彼は僕にこの想いを伝えるのに一体どれだけの勇気を振り絞ったのだろう。
きっとそれは僕には計り知れないくらい。





こんなにも想われているのに断る理由がどこにあるのだろうか。






答えなんて、とっくに決まっていた。







逸人は照れたようにふ、と微笑んだ。



「こんな僕でもいいの?」



その言葉に、アシタバがこくりと首を縦に振る。



「じゃあ…これからよろしくね、アシタバくん」



にこりと逸人が笑う。
顔を上げたアシタバもそれにつられて幸せそうに微笑んだ。



「…っ、はいっ!!」













それはとある日、とある放課後の保健室での出来事。






(今の僕は世界一の幸せ者なんじゃないかな、なんて)






end.



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Dear.里弥様
やっとこさ仕上がりました!!
遅くなってしまい大変申し訳ありませんでしたorz
お待たせしたにも関わらずこんな駄文で本当に申し訳ないです…
返品・書き直し等いつでも承りますので何なりとお申しつけ下さいませ!!

最後になりましたが、Thanks 12000HIT!!
そしてリクエストありがとうございました!!(*^o^*)


2011.10.24

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