企画

□貴方だけの専属SP (兎虎+薔薇)
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「なぁ バニー、ブルーローズ」

「何ですか?」「何よ?」

「なーんで俺はこんな状況になってんの?」



虎徹の今の状態は、しいて言うならばSPに囲まれた有名人だろうか。
両サイドをバーナビーとカリーナにがっちり挟まれ、守られるような形で街を歩いていた虎徹は居心地悪そうに二人を見やった。


対する二人は神経質な顔で、周りを警戒しているのか、きょろきょろと辺りを見回している。



「だぁぁもう!!何だよ、俺に何かあんのかよ!?」



二人がいつもと違う理由を考えていたがどうにも心あたりが無いらしく、虎徹はたまらず頭を掻いた。
それを見たバーナビーとカリーナは二人してため息をついた。



「全く…自覚が無さすぎますよ、虎徹さん」

「へ?」

「本当よ。むしろ何で気づかないのかが分からないわ」

「いや、だから何が」



鈍感な虎徹は気づかない。





こうなった理由はここ一週間にある。

マーベリックによって冤罪を被った虎徹は殺人犯に見立てられ、恐れられた。
だがそれと同時に冤罪が晴れてからというもの、シュテルンビルト市民の虎徹を見る目が変わったのも確かで。



例えばバーナビーと虎徹が一緒に歩いている時。



いつもならバーナビーに寄ってくる女性が虎徹にも寄ってきたり。
街を歩いていて、すれ違う人がことごとく振り返ったり。

本人いわく、最近自宅に身に覚えのない贈り物が届いたりもしているらしい。
しかもラブレター付き。



つまりあの一件以来、虎徹は市民からモテるようになった。
しかもこれが男女問わずというのだから驚きだ。



それを最も敏感に感じ取ったのは他でもないバーナビーだった。



「まぁ、虎徹さんが魅力的なのは分かりますがね…」



というか、何故今の今までその魅力に気づかなかったのか、そっちの方が不思議です。



『でも、虎徹さんに変な虫がたかるのは癪だ。何かいい方法は…』



トレーニングをしながらぼんやりと考えて、小さくため息をついた。
色々と考えていたところ



「何よハンサム、浮かない顔してるじゃない」

「ブルーローズさん」



通りかかったのはカリーナだった。
彼女もトレーニング中だったらしい。



『…確か、彼女も虎徹さんに好意を持っているんだっけ』



僕一人で大勢の市民から虎徹さんを守りきれるとは思えない。
かと言ってライバルに協力してもらうというのも…。


いや、しかし。
やはりここは妥協すべき所ではないだろうか。
目的が同じなら、心強い味方になるはずだ。



考えた後、バーナビーは決心した。




「ブルーローズさん、一つお願いがあるのですが」

「何よ、改まって」



怪訝な顔をするカリーナに、バーナビーは口を開いた。




「実は一一」




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