Snow's Guardian―雪の守護者―
□Before Start...
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「何かわかんないのか? 椎名」
「ほぇ?!」
隣の席の山本くんが不意に私に聞いてきて。
予想外のできごとに思わず驚いた。
「き…聞いててた…?」
「ん?さっきのことか?」
コクリ、とうなずく。
「“運命”って、あるのかな…? って」
正直にそう打ち明ける。
「さぁな。俺にもわかんねぇやっ!」
「…だよねぇー…」
当たり前…だよね。
でも…
「ありがとっ」
「ん? あ、あぁ」
そう笑顔で言ったから。
彼の“運命”も少し変ったかもしれない。