SHORT

□MMマンション
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「クトゥルフTRPG…っていうものがあって。もしよかったら一緒にやらない?」

ニックのそんな言葉が発端だった。



何やら楽しそうだという理由で二つ返事でいい返事をしたイスカは、人数を集めてほしいというニックの願いでショウ、フェルト、ミナを集めた。
いつも通りといえばいつも通りなメンバーに、ニックははにかむような笑みを見せる。
戦闘服の時はもう女の子にしか見えないが、今は私服の姿。
通りすがりの人にはややかわいめの男の子といった風にうつる。
ある意味学校1の知名度を誇るショウと、学園祭で人気者となったミナ、その他にも顏の整った人の集まりというのは、そのオーラで人の視線を集める。
視線がどうしても気になるのか、ニックはそそくさと全員をクレアの部屋へと案内した。



イ「え、まさかクレアの部屋?」
ニ「?うん。面白い遊びを見つけたって」
イ「……」
クレアを目の敵にしているイスカはしかめっ面をする。
用もないのにクレアの部屋に足を踏み入れること自体が嫌なようだ。

シ「お前等、いざってときは協力してんだろーが、とっとと入れアホ」
イ「アホとか言わない!」
シ「早く入れよ」
イ「――はぁ・・・」
ニ「……どうぞ?」

イスカは諦めたようにため息をつくと、やや狭めの玄関をくぐる。
入る前から一悶着あったものの、全員が部屋の中へと姿を消していった。




中に入ると、何かをたくらんだような顏のクレアが迎えてくれた。
1つのテーブルを囲ってクレアの話を聞くと、どうやらテーブルトークRPGというゲームを発見したらしく、予想以上に面白かったようで回りを巻き込む次第になったようである。

イ「どうせ一緒にやる友達がいなかったんでしょ。僕は君と友達なんてまっぴらだけど」
ク「俺もお前と友達だけにはなりたくねーな。試しにはニックに付き合ってもらったんだよ、意外に面白くてな。特にイスカ、お前がハマりそうなゲームだ」
シ「イスカがハマるんなら俺は苦手なやつなんだろうな」
フ「きっと私も得意じゃないなー」
ミ「……(おろおろ)」
ク「いや、ショウも楽しめるだろ。フェルトは分かんねーな」
シ「まじか」
ク「まぁ説明するからよ、ちょっと言われたようにサイコロ振ってみろ」
イ「僕このゲーム知ってるけど勝手にシート作っていっていい?」
ク「あぁ、余裕があったら他の奴手伝ってくれ」
イ「…仕方ないなぁ」


そこから3人は言われるままにサイコロを転がす。
途中でやっていることの見当がついたミナは、イスカに相談しながら先々へ進めていた。
その姿は見ているだけで砂を吐きそうになる。
一方、人からの説明を理解できないのが残りの2人である。クレアが説明下手なことも合わさり、探索者シートを作るころにはクレアはだいぶげっそりした様子だった。
それを見たイスカが笑い飛ばし、クレアが軽く突っかかってからシートの確認が始まった。


  
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