SHORT
□グラウンドゼロ
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ちょっとさ、面白いと思うんだよね。
学年最強って言われるあいつらが、怖さに支配されるのってさ。
「突然合宿だなんて驚いたね。
...まぁ任務より楽しみだし、休みがあるのは嬉しいけど」
「なら素直に嬉しいって言えよ、イスカ」
「あはは」
この2人は、合宿先へ向かうツアーバスに乗っている。
もちろん、席は隣で。
後ろにはリンとタキが、遠くの席にはフェルトとミナがいる。
なぜだかユウトには合宿の誘いがこなかったらしい。ペアがいないならばと合宿を辞退しようとしたフェルトだったが、結局ユウトに強く押され参加を決めた。
「今回は強化合宿じゃないんだよね。勉強合宿かな?」
「うわ...イスカ頼むぜ」
「お礼は学食の唐揚げ定食ね」
「.........」
ショウは苦虫を噛んだような顔をする。
それを完全に面白がって見ているイスカ。
二人は知らなかった。
この合宿が何のために実施されるのか。
この合宿で、何が起こるのか。
この合宿で......何人が生き残れるのかを。
そしてそれが、
生徒によってたくらまれたことであることを。