SHORT
□トラウマ 2
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(ショウ目線)
ちょうどチャイムが鳴って終わった授業。
つまらなかったそれを忘れるように、のびをした。
椅子から上体が反り返る。
上下が逆さまになった世界で、遠くからタキが走ってくるのが見えた。
何やってんだあいつ、とその姿を見る。
「イスカが、」
珍しくタキが走ってきたと思って、見ていたら。
息を切らしながら、そう言った。
「イスカが、おかしいんだ…!」
「へ?」
「あいつがおかしくなったのは今に始まったことじゃ…」
ねぇだろ、という俺の言葉なんておかまいなしにタキは言葉を突っ込んでくる。
「違う!そうじゃなくて!!」
「は?」
「っとりあえず来い!!」
すさまじい形相でそう叫ばれて、ただ事じゃないとようやく悟る。
とりあえずショウは席を立ちあがった。