SHORT
□永遠に
1ページ/5ページ
「タキ…!?」
ガラガラと瓦礫が崩れる。
土埃でなにも見えない。
思わず、袖で口元を覆った。
「っああああぁあぁあ!!!」
洞窟内に響き、反響した、叫び声。
「タキっ!!どこだ、どこにいる!?」
頭から血が引いていくのが分かる。
まずい、と本能が悲鳴を上げていた。
「っ…先に行け!」
「ふざけんな!どこにいるんだ、瓦礫の向こうか!?」
「足を怪我した!こっちには敵だっているんだ、早く逃げろっ!!」
「んな願い、聞けるわけねぇだろうが!!待ってろ、すぐそっちに行く!」
目の前の瓦礫の山に手を突っ込む。
手前に石を掻きだし、岩を引きずり下ろした。
早く…早くしないと、タキが…!
魔法で崩せたらいいのに…
どうして、もっと勉強しなかった!
なんで支点の変更法を知らないんだ…!