SHORT
□記憶
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最後の瞬間を覚えていないのが気がかりだが、まぁ俺の記憶と本人の記憶がはっきりと残っているのは、助かった。
これは呪い関係ととっていいのだろう。
あとは、リンにでも見てもらえば……
ダメだ。
イスカは、今の状態でリンに会ったら殺しかねない。
ミナにも合わせられない。
ハヤトとクレアには面識がなかったはず。
でも、クレアならすぐに様子がおかしいと気付かれるだろう。
クレアは、前世とは全く関係ない人間だ。
できれば、巻き込みたくない。
当事者ではないのだから、前世のことを知られてギクシャクしてしまうのも避けたい。
「で、ここはどこなの?」
「…イスカ」
全部を話して納得してもらうしかない、と思った。