FT夢

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「まず、ボクは幽鬼の支配者の魔導士じゃナインダ。

「ンン…正確には幽鬼の支配者なんだけど、もっと大きな機関から仮の肩書きとして所属してル。

「そう、キミと同じダヨ。

「……そう怪訝な目で見ないでっテバ。事実ダロ?

「それともまさか、“自分の居場所は此処だ”なんて思ってるのかイ?

「滑稽ダネ。無様ダネ。醜いネ。

「たかが1魔導士ギルドに依存して、愛着を持ち、氷の王子様に随分ご執心な様子デ。

「エ?誰が王子様だっテ?

「グレイ・フルバスターダヨ。キミの大好きな大好きな相棒クン。

「…知らないノ?キミの字の由来。

氷の破壊姫トゥーランドット

「かの有名な女王様、トゥーランドットにキミの立ち振舞いが似ている為名付けられタ。

「実は由来がもう1つあるんダヨ。

「キミの相棒グレイ…氷の魔導士がまるで愛する姫のようにキミを守る姿になぞられていル…

グレイ破壊姫アイリスって、ネ。

「……そんな可愛い顔しないでヨ。喜びスギ。



「嗚呼、話が逸れてしまったネ。

「キミは何が訊きたいんだっケ?ファントムの目的?

「ルーシィ・ハートフィリア嬢を連れ戻して、父親から礼金を貰うことじゃなかったカナ。

「それ以上の企みもあるみたいダケド、詳しいコトは忘れちゃっヨ。

「ン〜…あとは…ガシルたんがキミと戦いたい的なコト言ってた気がしなくもないケド…

「あはは!そう言えば今、ボクとアイリスは二人っきりダネ!!

「嬉しいナァ…今だけはボクがキミの王子様になりたいトコロダヨ。

「冗談、冗談。


「ン?ボクの目的?

「勿論それはキミダヨ、アイリス。

「キミに接触するコト。それがボクの今現在全うすべき使命サ。大袈裟だけど、決して比喩ではナイ。

「薄々分かってるんデショ?

「もう時間がナイ、っテ。

「……とぼけるつもりなら、それでもイイヨ。うん、その方がキミらしいしネ。


「さっきも言ったケド、ボクはキミと遊ぶ――戦うつもりはないヨ。

「話し終えたらボクはトンズラするし――目的は果たしたからネ――アイリスは好きにすればイイヨ。


「長々と喋ってるけど、そろそろ時間かナ。

「ンン?どうしたノ、アイリス…


「随分、顔色が悪いケド?」



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