FT夢

□19
2ページ/4ページ




ゆっくりとした歩調で歩きながら、あたしは昨晩の事をグレイに説明した。

村が無くなった事、此処がその村の資材置場である事。

勿論、怪我人が出なかった事も。




『目が覚めたら来いと言われてるのサ』

「……誰に?」

『…フフフ』




自棄ともとれるあたしの笑みに一瞬怯えたグレイ。

分かってたさ…いつかこうなると。

ギルドの掟を破ってあの人が許すわけないって。


あたしはとあるテントの前で、止まった。

入り口を開いて彼を入れると、あたしは一人で逃げ「アイリス」…冗談だ。




『ごめんなさい』

「エルザ!!?」




女王様が如く佇む彼女、エルザ・スカーレットは表情からすぐに感情が見て取れた。

ああ、怖い…普通にビビってるよあたし……




「だいたいの事情はルーシィから聞いた。おまえたちはナツたちを止める側ではなかったのか?グレイ、アイリス」

「……」

『止めようとはしたよ。気はなかったけど』

「黙れアイリス…あきれて物も言えんぞ」

「ナ…ナツは?」

「それは私が聞きたい」


『ルーシィ、ナツくんは?』

「わ…わからない。村で零帝の手下と戦ってたハズなんだけど…」

『さしみとまゆげね』

「うん…そいつ等は片付けられてたのに、ナツの姿が見当たらなかったの」




それで、取り敢えずグレイとあたしがいる此処に来たらしい。

どうして此処が分かったのかと問うと、ハッピーが空から探したとのこと。(縛られたまま、らしい。お前は風船か)

すくっと立ち上がったエルザは強く決心した目の色をして、




「グレイ、アイリス。ナツを探しに行くぞ。見つけ次第ギルドに戻る」

『ん?』

「な…何言ってんだ、エルザ…事情を聞いたなら、今この島で何が起こってるか知ってんだろ」


「―――それが、何か?」




唖然とするグレイ。

ルーシィを一瞥すると、彼女は黙って首を振った。






,

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ