FT夢

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「炎帝の鎧かぁ…そうこなくちゃ。

これで、心おきなく全力が出せるぞ!!!」




両手に火を灯したナツも構えて、戦闘準備は整った。

「始めいっ!!!」マスターの声で、勝負は始まる。

途端に湧き上がる、歓声。


先制は、ナツ。




「だりゃっ!!!」




迷うことなく一直線にエルザの元に向かうと、そのまま拳を突き出す。

それをエルザは簡単に避け、攻撃後のナツの隙を狙って剣を振るう。


またナツが攻撃して、エルザが、剣を振るう。

同じパターンの繰り返しに見えて、これは中々難しい事だ。


いつもの事だが、ナツは周りを巻き込んでるし…




『強くなったね、ナツ』

「……そうかよ」

『それに、きっとまだ強くなる』




強くなることが、竜狩りの名を与えられし魔導士の運命なのだから。

互いに止まる事なく、真剣で全力な力のぶつけ合いに、見ているコッチが疲れるほどだ。





パァン――――!





そこに突如、乾いた音が響き二人の動きを含め周りの歓声も止む。

何事かと音源を辿れば、そこには、




「全員、その場を動くな。私は評議員の使者である」




カエルの姿形をした奴が、そう言った。

言われた通り、あたしたちは動きを止めるが…一体、こんなトコロに何の用だ。


個人的に評議院は大嫌いだから、早く帰って欲し――――




「先日の鉄の森テロ事件において、器物破損罪、他11件の罪の容疑で…

アイリス・ヴォルティーニを逮捕する」


「!?」

『…は?あたし?』




⇒あとがき+補足

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