FT夢

□09
1ページ/3ページ










鉄の森アイゼンヴァルトとの騒ぎが終わって帰ると、あたしはギルドのカウンターに突っ伏して眠ってしまった。

久々の仲間との仕事、戦闘は慣れないモノでもあって、知らないうちに疲れが溜まっていたのだろう。

その後数字はダラダラとベッドの上で過ごし、ギルドには殆ど顔を出さなかった。




「今日、ナツとエルザが闘うんだって!!」




新聞を運んできてくれたレビィに、そんな話を聞くまでは。

そういえば、あの騒ぎの前…ナツがエルザにそんなこと言ってたっけ。




「もう皆広場に集まってる…早く行かないと!」

『だるー』




レビィはあたしの腕を引いて、すたすたと歩いて行く。

数日とはいえ、昼夜逆転生活を送っていたんだから…ちょっと辛い…


レビィの言う通り、ギルドの前の開けた場所には人集りが出来ていた。

その中心に、ナツと、エルザ。




「アイリス!」

『あ、ルーシィお久し振り』

「こ、これ…止めなくていいの!?」


『…ホワイ?』

「だって…最強チームの二人が激突したら…」




久々に会ったルーシィは、少しワケの分からないことを言う。

最強チームとは何の事だろうか。




「アイリスとグレイと、ナツとエルザのチームよっ!!!妖精の尻尾トップ4でしょ」

「はぁ?くだんねェ!!誰がそんな事言ったんだよ」

『あ、おはようグレイ』




いつの間にか背後にいたグレイも、理解できなさそうにそうぼやいた。

と、そのすぐ傍にいたミラジェーンが顔を手で覆って肩を震わせ始めた。

……成程。彼女が言ったのか。


と、今度はエルフマンが、




「確かに、ナツやグレイの漢気は認めるが…“最強”と言われると黙っておけねえな」

『妖精の尻尾は皆強いもんねー』




エルフマンはさり気なく自分を主張していたが、そこは敢えて突っ込まないでおこう。

ジェットとドロイと合流したレビィも話に加わる。




「最強の女はエルザかアイリスで間違いないと思うけどね」

『あたし?…あたしはセシリアに一票だけどナ』

「あ。そう言えば、あの人も中々帰ってこないね」

『やっぱりまだ帰ってないんだ……まったく、いい歳なのにねー』


「最強の男となると、ミストガンやラクサスもいるし」

『いやいやいやいや、男なら師匠が最強。これは断言する』




なんて、ギャーギャー騒いでる間も、ナツとエルザの睨み合いは続いている。

ミラはミラで、「私はただ、ナツとグレイとアイリスとエルザが一番相性がいいと思ったのよ」と涙を拭っていた。

よしよしとその頭を撫でる。


何にせよ、これから目の前で始まる戦いは面白いモノだろう。




「私も本気でいかせてもらうぞ。久しぶりに自分の力を試したい。

すべてをぶつけて来い!!!」




耐火能力のある炎帝の鎧に換装したエルザ。

……此処だけの話、彼女のこのツインテールは中々あたしの趣味に適っている。




「やっぱりエルザにかけていい?」




どうやら賭けまで行われているようで、ハッピーは最初ナツに賭けていたのだろうが…炎帝の鎧を見てか、エルザに変更していた。

床にしゃがみ込むカナさんに苦笑いしつつ、あたしも交ざろうか、と思う。




「あたしこーゆーのダメ!!どっちも負けてほしくないもん!!」

「意外と純情なのな」

『勝って欲しい意味も込めて、3000Jナツにね』

「ハンっ…どうせ、エルザの圧勝だろ」


『可愛くない事いうねぇ…反抗期?グレイ?』



,

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ