番外編
□Trick-or-treat!
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今日はハロウィンである。
子供たちが思い思いの仮装をし、お菓子をねだるという祭りと日本では認識されている。
もちろん、そんな行事を鈴音が見逃すわけがない。
張り切って仮装していた。
『クスクス、前原隊長ビックリするだろうなー。』
早速、鈴音はデラウェアを食べている咲月を見つけた。
『前原隊長ー!
Trick-or-treat!
お菓子くれないと、悪戯しますよー!』
『鈴音、か。
………ていうか、なんだその格好。』
鈴音の今の格好は、ジャックオランタンの被り物に黒いマントという出で立ちだった。
『ハロウィンです!
知らないんですかぁ?
とりあえず、お菓子くれないと悪戯しますよ!』
咲月は鈴音のことだから、お菓子をあげてもあげなくても、悪戯するだろうと思ったがここは素直にお菓子をあげることにした。
『お菓子な。
クッキーだけど、いいか?』
『わーい、クッキー!
ところで、そのデラウェアはくれないんですか?』
喜んでいる鈴音に少し顔を緩ませながらも、咲月はピシャリと断言した。
『やるつもりは毛頭ない。』
『えぇー、ケチー。』
とか言いながらも、咲月に貰ったクッキーを食べ始める鈴音。
『おっ、カボチャ味とチョコ味なんですね。
前原隊長の割には美味s……。』
食べているうちに、鈴音の体に変化が起きた。
『もうそろそろか?』
と咲月がジャックオランタンの被り物を取ると、鈴音の頭には猫のような耳が。
同じく腰の方には、猫の尻尾が生えていた。
『な、なっ何これ!?
どういうことですか、前原隊長!!』
驚く鈴音を見て、満足そうな顔をする咲月。
『いつもやられっぱなしだからな、仕返しだ。
それにジャックオランタンの仮装よりそっちの方が似合う。』
そう言いながら、鈴音の頭に魔女が被るようなとんがり帽子を被せる。
ちなみに、猫耳が出るようにその部分は切り取られている。
『似合うとかは関係ないんですよぅ!
元に戻してください!』
『嫌だ。
まぁ、一日で効果切れるから、安心しろ。』
ということで、鈴音は今日一日猫耳魔女っ娘の仮装をすることになった。