08/30の日記
22:13
様付けでなければ返事をしない*雅→→→篤
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風雅さまよりお借りしてます
*篤が吸血鬼になって…らへんです!(アバウトすぎてすみません)
篤は雅に呼ばれて屋敷へ来ていた。
ス…と襖をあけて奥へといき、そこには名前の通り上品にあぐらをかく吸血鬼の王がいた。
「なにか用か?」
表面上は雅の言う通りに動いているが、なにもヤツの手先になったつもりは無かった。
しかし、目の前の男は自分を呼び付けておきながら、なんの返事もしなかった。
「…雅様とお呼びにならなければ…」
返事をしませんよ。と年老いた吸血鬼がこそりと耳打ちをする。
……………は?!
バカにされてるのかと思ったが、そういえば回りの吸血鬼たちはちゃんと男のことを『様』付にしていた。
しかし、なぜ今さら…?
篤は雅に対して名前を呼んだことはおろか、膝をついたりもしていない。
他の吸血鬼にとっては恐れ多いことだが、篤は特別だということは、随分前から知れ渡っていたので特に問題にはならなかったのだから。
「…用がないなら…」
帰ろうと立ち上がると、瞬間ピシャ!と襖が勢いよく閉まる。
いつの間にかお目つけ役、世話役吸血鬼がいなくなっていた。
なんなんだ!お前はなにがしたいんだ!?
「おい、」
「篤」
不満を言おうと口をひらくと、雅は篤を見据えた。
「お前は私のものになったのだ。そろそろそれなりの態度を示してもらわねばな…回りが不安がるだろう?」
元々篤は吸血鬼にとって敵であり、敵わない相手なのだ、それは吸血鬼になった今でも代わりはなく、いつ寝首をかかれるか気が気ではない、という吸血鬼もいるとかいないとか…。
「それで俺がお前の名前を呼べと…?」
「そうだ。ちゃんと膝もついてもらおうか」
扇子で促される。
コイツ!!と篤の怒りは頂点だ。目も赤くなっている。
「…いいのかそんな態度を取っても…」
ニィッと微笑む雅に、いっそのこと首をきりおとしてやりたかったが、コイツは不死身だし、その後のことを考えれば浅はかな行為はできる限りは避けたい。
考えこむ篤にしびれをきらした雅が、立ち上がり篤の足をはらいのける。
当然、篤は咄嗟のことで受け身もとれずに畳に倒れてしまった。
「なにを…!」
「どうした?さっさと言わないか。アイツらがどうなっても構わないというのか?」
ぐ、と篤は拳をにぎり、ぽつ、ともらした。
「…ん?聞こえなかったな」
ニヤニヤと笑う雅に頭の中で何度か殺しながらもう一度いった。
「み、やび…様」
「まぁいい。今度はちゃんと膝をついていうことだ」
満足げに微笑む雅に、「良かったですね雅様」と陰ながら涙ぐんだものがいたとかいないとか…。
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乙女な雅さまでした!
篤に名前で呼んでもらいたくて、いろいろと素直じゃないことをいう雅さま(笑)
でも、雅さまは篤をいじめるときが一番イキイキしてたので、案外こういう子どもっぽいとこある気がしましたv
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