Series『現桜』

□The 26th.「記憶(1)」
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修学旅行ー…
大体、どこの学校も2年次に行く事が多いだろう。
この薄桜学園も2年次で行うが、ホテルや様々な理由で時期は、その時々に応じて変わって行くのだが。
今年は体育祭、文化祭が終わった後・・・11月も深まり、寒さも本格化した頃に行われた。
高校とも成れば、行先は学校の特色が出るのだが、この学園は必ず『奈良・京都』。
勿論、理由は学園長 近藤勇の意向で有る。
但し中学で大体どの生徒も中学の修学旅行で一度は行っているので、奈良では団体行動が基本となるが、京都のメインは『自由行動』となる。
が、只の自由行動では無い。
ソコで見聞きした事を旅行後、グループでレポートして提出するのだ。
なので旅行前に下調べをし、テーマと行動ルートを提出する。
ソレを元に、教員達は近く迄生徒を送るバスの割振りや、何か有った時に直ぐ向かえる様、エリアの担当を決めるので、生徒の提出が遅れ様モノなら、必然的に教師のスケジュールも圧迫するわけで。
毎年、旅行前は徹夜に近い状態なので、2年次の担当となる教師は戦々恐々となるわけだ。
教頭でもある土方歳三当たりは、毎年の事なので諦めも入っているが。

但し今年の修学旅行は違う意味で緊張感が走っていた。

転生はしたが記憶が無い沖田総司や斎藤一、そして葛木桜華が2年の為に参加する。
以前、下調べという事で土方、保険医兼事務長 山南敬助、保健体育教師 原田左之助、数学教師 永倉新八で京都へ行った時の事。
観光というわけではないので、じっくり見たわけではないが、新選組所縁の地ー…2カ所目の屯所だった『西本願寺』へ・・・
ソコに到着して暫くすると、明らかに記憶が無い原田や永倉の様子がおかしい。
後で話を聞いて見ると、軽い頭痛と強いデジャブ−…既視感。
鈍い代名詞とも言える永倉ですら、そんな事を訴えていた。
そんな訳で今回、多感な年齢でもある桜華達が、どういう反応を起こすか・・・
さらに言えば、桜華と沖田が居るグループのテーマが『新選組』。
その所縁の土地を回る事になって居り、まさか止めるわけも行かず、土方と山南にとって不安を煽る結果になっていた。


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