Series『現桜』

□The 20th.「海(1)」
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「海だぁ〜」

「うん海だね、たまちゃん。」

そして夏休みのある日ー…
晴天にも恵まれ、近藤道場の皆で海へやってきた。
メンバーは桜華と沖田に2年 斎藤一、千鶴と同じ1年 藤堂平助、近藤一家、子守と荷物番にと着いて来てくれた井上源三郎、体育教師 原田左之助、数学教師 永倉新八。
それから、こういう行事には参加しないだろう二人が・・・

「でも何で、土方さんや山南さんまで居るんだよ。」

そう教頭兼古文教師 土方歳三と保険医兼事務長 山南敬助も参加していた。
二人に聴こえない様に小声で永倉は原田に話しかけると、原田も小声で返す。

「知らねぇよ。」

そこに沖田が。

「うふ、だって仲間外れは可哀想じゃないですか。」

「「わっ!?」」

沖田が二人の間に割り込んできた。

「驚かすな!総司!」

「お前か、二人を誘ったのは?」

「提案は僕ですけど、実際に声かけたのは違いますよ。」

「どういう意味だ?」

沖田の言葉に、永倉が疑問を口にする。

「大体、僕が声をかけて、あの二人が来るわけないじゃないですか。」

「じゃ一体、誰が・・・」

原田もサッパリわからないと言った表情で呟く。
その二人に沖田は指差しながら答える。

「あの二人ですよ。」

その指の先には、近藤の娘 たまと追い駆ける桜華と千鶴が見えた。

「あの二人も女の子には弱いってわけか・・・」

「あぁ・・・」

意外なような、そうでもないような複雑な気持ちでいっぱいになった永倉と原田であった。


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