小説(うたプリ)

□むすっ
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カシャッカシャッ
カメラの音とフラッシュがたかれる音がスタジオ内に響く。
それらの中心には俺、一十木音也がいた。
ポージングを変えたり、いろんな表情をしてみたり、最近やっと撮影に慣れてきたかも。

「お、その表情いいよー!あ、もう少し左向いてみて・・・OK,OK!いいのがたくさん撮れたし、これで撮影は終わりにしようか」
「あ、はい!ありがとうございました!」

そして俺はセットから降りて、パソコンが置いてあるところに向かった。
今まで撮った写真を確認するためだ。
ちょっと失敗しちゃったのもあるけど、この仕事を始めたころより全然まし。
そしてスタッフさんと使用する写真の打ち合わせをして、その後雑誌に載るインタビューに答えた。
それさえ終われば今日の仕事はおしまい!

「すいません、お先に失礼します。お疲れ様でした!」
「あぁ、音也くんお疲れさま〜」

スタッフさんに元気に挨拶して、俺は隣のスタジオに移動した。
え?
なんで仕事終わったのに、隣のスタジオに行くかって?
それはね、隣でトキヤがドラマの撮影をしているからだよ。
だいたい同じくらいに終わる予定だったから、一緒に帰ろうねって約束してるんだ。


「失礼しま〜す」

きちんと隣のスタッフさんにも挨拶してスタジオに入った。
俺とトキヤは公私共に仲がいいことはみんな知ってるから、俺がこっちに遊びに来ても“どうしたの?”とは思われないみたい。
トキヤはまだ撮影中だったから、俺は邪魔にならないようにはじの大道具の近くで待つことにした。
スポットライトを浴びて立つトキヤはすっごいキラキラで、男でも惚れちゃうくらいだった。
しばらくは勉強になるからと思ってトキヤの演技をしっかり見てたんだけど、なんだかだんだんむかむかしてきちゃった。
理由はね、今撮ってるシーンがラブシーンだからなんだよね。
トキヤの出演するドラマは2人の男性が1人の女性を取り合うラブストーリーで、トキヤは恋敵の役で最終的には振られちゃうほう。
けどこのシーンはまだ振向いて欲しくてガンガンに押しまくって、女の人も少しなびいてきちゃうシーンなんだよね・・・

(む〜、顔近いよ!それに女の人の腰に手回してるし‼相手役の人だってもう少しくらい離れて問題ないのに)

分かってるよ、これが演技だってことくらい。
トキヤが愛しているのはちゃんとこの俺だってことくらい。
でもでも恋人が知らない人にベタベタ触ってるなんて、いい気分する彼氏なんていないと思うよ。

「キャッ」

もう見てられなくて下を向いていたら、小さな黄色い悲鳴がスタジオ内で上がった。
バッと顔を上げると、トキヤがキスしてた。
台本上では女の人のほうが嫌がって、キスはしないはずなのに・・・
トキヤもさすがにびっくりしたみたいだったけど、まだカメラが回ってたからすぐにアドリブを入れて、あたかも最初からキスするシーンだったかのように見せた。
そしてやっとカットの声がかかり、撮影はいったんストップした。
俺はさすがに撮り直しだろうなと思ってた。
なのに監督さんは断然こっちの方がいいって言うのが聞こえてきた。
やだな。
トキヤが俺以外とチューしてるところなんて見たくないのに。

「音也、もう来てたんですね」

うなだれてたらトキヤが俺に気付いたみたいで、こっちにやって来た。

「お疲れ、こっち来ちゃって平気なの?」
「えぇ、先ほどのシーンで今日の分は終わりです。一緒に帰りましょう?」
「うん、帰ろう」

トキヤがさっきのことなんてなかったかのように笑うから、俺も頑張って笑顔で返す。
そして2人でスタジオを後にした。


帰りの道中は気まずかった。
珍しくトキヤがいっぱい話振ってくれたのに、まともに返すことができなくて。
どうにも途切れ途切れの会話になっちゃった。


「何があったんです、音也?」

目の前にカフェオレを差し出しながら、家に着いて開口一番にトキヤがそう尋ねた。
ブラックは嫌いだと知っているから、トキヤはいつも甘めのカフェオレを作ってくれるんだ。

「ん、別に。何でもないよ」
「私と一緒に居るのにあなたがずっと黙っていることなんてありえません・・・もしかして先ほどの撮影の件ですか?」

その言葉につい反応しちゃうと、トキヤは1つため息をついた。

「あれは事故です。私だってするつもりはありませんでした」
「そのことは・・・分かってるつもりだよ?でもなんだか納得できないっていうか、もやもやしちゃうんだもん」
「分かりました」

そういうとトキヤは俺の方へ近づき、俺の肩を押して、俺のことを押し倒した。
そして俺のお腹の上に跨る。

「ちょ、トキヤさん!?」
「私もあなた以外に触れるのは本当は嫌だったんですよ。ましてキスなんて・・・だから私に消毒して、綺麗にしてくれませんか?」

少し上目遣いで妖艶に微笑むトキヤに俺は我慢できず、体制を入れ替えるとすぐトキヤに覆いかぶさった。


「あっ、も、そこばっか・・・!」
「だってまだ消毒おわってないもん」
「ひうっ」

さっきのトキヤの言葉に甘えて、俺はずっとトキヤの体を丹念に舐めていた。
指だったり、首元だったり、胸だったり。
あの女の人がたとえ服の上からだろうと触ったと思われるところは全部綺麗にしてあげるつもりだった。

「や、だぁっ・・・おとやぁ」

トキヤは始めこそはくすぐったいって抵抗したたけど、感じるところばかり責めてたらすっかりおとなしくなっちゃった。
そればかりか俺が決定的な刺激を与えないせいで、もう思考もグズグズになってきているみたい。
もうかわいいんだから‼

「ん、どうしたの?まだ消毒足りない?」

自分でも意地悪いなぁって思うけど、トキヤからおねだりの言葉が聞きたくて。
だけど意地っ張りだから、頭を振るだけで言葉を口にしようとしない。

「ふふっ、分かってるよ。こっち、触って欲しかったんだよね?」

本当に聞きたかったんだけどな。
これ以上しちゃうと明日の報復が怖いので折れることにしました。
そしてまだ触れていなかった唇に口づけを落としながら、張り詰めたトキヤ自身に手を伸ばした。

「ンッー!・・・や、あん・・・そこ、いいっ」
「すごいね。1回出しちゃおうね」

ベロで口内を蹂躙しながら、指で先端をこねるように愛撫する。
トキヤはいきなりの快感が怖いのか必死になって俺に縋りついてきた。
立てられた爪がちょこーっと痛いけど、これも愛の証だと思って受け止める。

「あっ・・・ひぁあぁあっ!」

一際強く擦りあげると、トキヤは高い声を上げながら達した。
すべて出し終えると体の力が抜けて、ベッドに体を沈める。
でもまだ終わりになんかしてあげられないよ。

「トキヤ、身体ひっくり返すよー・・・よいしょっと」
「やっ・・・まだダメ、です」

まだイった余韻が残ってるみたいだったけど、俺だってトキヤのエロいところ見て我慢なんかできないよ。
四つん這いにしてお尻だけ高く上げさせると、まるで俺を誘ってるかのようで興奮する。

「ひっ・・・舐めるのや、です・・・音也ぁ」

ペチャってトキヤの蕾を舐め上げると途端に泣き言を上げる。
いつまでたってもそこを舐められる羞恥がなくならないみたい。
なんだかそんなところもトキヤらしんだけど。

「だってちゃんと解さないと俺の入らないよ。少しだけ我慢して、お願い」
「ふ、くぅん・・・あっ」

たっぷりと唾液を中に塗り込んでから、これまた唾液で濡らした指を差し込む。
トキヤが拒否の声を上げるのとは裏腹に、そこはすんなりと俺を受け入れていく。
少し乱暴に抜き差しして慣らしている間、トキヤはギュッとシーツを摑んで必死に耐えていた。
眼には生理的な涙を浮かべていて、それは気持ちいいからだとは分かっていたけど、あんまりつらそうな表情されるとやっぱりかわいそうに思っちゃう。
トキヤ、俺のこと好きだからいっぱい我慢してくれてるんだよね?
ありがとう、大好き。
だから俺も精一杯トキヤのこと気持ちよくしてあげるからね。

「んん・・・も、平気です・・・音也、お願いします」
「分かった。よく頑張ってくれたね」

えらいえらいって頭を撫でると“子供扱いしないで下さい”って顔で睨まれちゃった。

「行くよ」
「はい・・・っ!」

先端を挿入した途端、ぎゅうぎゅうに俺を締め付けてくるトキヤのそこ。
それなのにもっと奥まで誘い込むようにうねってもいる。
少しキツいかもだけど、俺的には最っ高に気持ちいい!

「トキヤ、ヤバい・・・俺、入れただけでイっちゃいそうだよ」

ふふっと笑いながら俺はトキヤの肩口にじゃれる。
するとトキヤは摑んでいたシーツから手を離し、俺の首へと手を回してくれた。
俺トキヤにギュッてされるのだーいすきv

「ふぁっ、んン・・・そろそろ、いいですよ・・・?」

中が慣れるまではって思ってじっと我慢してたんだけど、もう大丈夫みたい。
無意識なんだろうけどもどかしげに腰揺れちゃってるし、そんなうるうるの瞳で見つめてくるのは反則だよっ!!

「分かった。最高に気持ちよくしてあげるから、ちゃんと俺についてきてね」
「へ?・・・や、あぁぁんっ!」

奥まで入っていた自身をぎりぎりまで引き抜いてから、再び深く穿つ。
それから小刻みに動いてトキヤの好きな奥を引っ掻く。
トキヤは強烈な快感の波に足の指をぎゅっと丸めて耐えている。

「や、ダメっ・・・もっとゆっく、り・・・音也、音也ぁ」

ガツガツ中を擦り上げる俺に振り落とされないように、その長くて白い足を体に絡みつけてくる。
そして俺の名前を譫言のように繰り返す。
・・・もうなんだろう。
かわいすぎて壊しちゃいそうだよ。

「んちゅ、トキヤ・・・かわいい・・・トキヤは俺のだからね?」
「はい・・・ひう、音也も私の、ですからぁっ・・・んあっ」

アイドルという仕事柄、他の人から触られちゃうのはしょうがないって分かってるから。
だからその時はきちんと消毒してあげるからね。
もし俺が他の人とラブシーンを撮ることがあったら、その時はちゃあんとトキヤが消毒するんだよ?

「んもう、本当大好き・・・ちゅくっ」
「んうっ・・・ん、ンンッー!」

キスをしながら中のしこりを抉ってあげるとトキヤは大きく背を反らしながら達した。
俺もトキヤの満足そうな顔を確認してから、中に熱を注ぎ込んだ。


「もうっ、明日も撮影あるんですよ!お腹壊したらどうしてくれるんです!?」
「俺がきれいに掻き出してあげるから大丈夫っ」

そう力強く宣言したらトキヤさんに“いりません”って殴られました。
俺、本気なのに!
そんなこんなでトキヤは今1人でシャワー浴びてる。
なんか俺がやってあげてる時より時間かかってるぽいけど平気かな?
トキヤのことだから俺を呼ぶってことなんてしないだろうし。

「よし、あと5分待って出てこなかったら行ってみよ」

俺だって早くシャワー浴びて寝たいし。
一緒にシャワー浴びたら、また一緒にベッドに入って。
ぎゅっとして、俺だけのトキヤだって感じながら寝るんだっ!

――
これからは帰ったら2人でどこにだれが触れたか報告会(笑)
それで触られたところ舐めあえばいい←

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