小説(銀魂・parallel)

□First ×××
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真選組牧場は江戸から少し離れた場所にありました。
ここは近藤勲という牧場主が経営している牧場で、特に土方十四郎、沖田総悟、山崎退という3匹の仔牛を大事に育てていました。
牛たちはおそろいのワンピースを着て、首にはカウベルをはめ、十四郎はしっぽに、総悟は右腕に、退は左ももにかわいらしいピンクのリボンをつけていました。
3匹の牛たちは優しくしてくれる近藤のことが大好きでした。


「トシ、総悟、山崎、今日はいい天気だから牧場内を自由に散歩してきていいぞ。ただし、森の近くでは野生の動物に気を付けるんだぞ!!」
「「「はい!」」」

3匹は近藤さんのことを慕っていたので、とてもいい笑顔で返事を返しました。


「で、どこ行く?」

十四郎が聞くと、総悟と退は、

「俺ぁ土方さんと一緒なんて嫌でさぁ。俺は自分の好きなところに行かせてもらいますぜ」
「沖田隊長がそうするなら、俺もそうさせてもらいます」

と言って、勝手にバラバラの方向に歩き始めました。

「ちょ、おい、待てよ!・・・ちっ、なんだよ、あいつら」

いらだつ十四郎でしたが、ここで引きとめると1人では寂しいと2人に思われそうなので、自分も1人で散歩することにしました。
そのころ、勝手に歩き始めていた2匹は同じことを考えていました。

((マヨ責めされずにすんで良かった・・・!))

総悟と退は、十四郎についていくとお昼にマヨネーズたっぷりの草を無理やり食べさせられることを知っていたので、十四郎と一緒に行きたくなかったのでした。


そのころ、十四郎は手に新品のマヨネーズを持ち、森の近くにある柵の方へ向かって歩いていました。
森からくる風で涼もうと考えていたのです。

(昼飯用にってたくさんマヨくれた!・・・だから、近藤さんのこと好きなんだよなぁ)

マヨをぎゅっと抱きしめながら、十四郎は今年一番の幸せを感じていました。
そんな十四郎を森から眺める2つの目がありました。
その目の持ち主は坂田銀時という野生のトラで、彼は某漫画のラムちゃんの格好をしており、長いしっぽをゆらゆらとゆらしていました。

「・・・おいしそう」

小さな声でそう言うと、草場に身を隠し、牛を捕らえるタイミングを狙っていました。
トラが自分のことを狙っているとはまったく気付いていない十四郎はたっぷりマヨをつけた草を食べ、お腹いっぱいになり眠くなったので、お昼寝をすることにしました。
ぽかぽかの太陽の光が心地よく、十四郎はすぐにぐっすりと寝てしまいました。


「・・・ん?くすぐったい・・・」

体に違和感を感じ、目を覚ますと、トラが自分の上に乗って、なにやら自分の体をさわっていました。

「っ!?誰だよ、てめぇ!!」
「あ、起きちゃった?・・・俺?俺はトラの銀さんだよ。坂田銀時。よろしく〜」

銀時と名乗ったトラはへらへら笑っていましたが、十四郎は背筋に冷汗が流れました。

(トラ?!ってことは俺食われるの
か・・・?)

十四郎は食べられてしまう恐怖から無意識に体をこわばらせました。
それに気付いた銀時は優しく声をかけました。

「大丈夫だよ。俺、今腹いっぱいだから。・・・まぁ、別の意味で食べさせてもらうけどね」

そう言うやいなや、十四郎のワンピースを胸のあたりまで引っ張り上げました。

「へ〜、下ってかぼちゃパンツなんだ」

十四郎は銀時に見られていると思うと、急に恥ずかしくなってきました。
そして銀時はいきなり十四郎の胸の飾りをなで始めたのです。

「あっ!!・・・んっ、やめろ!!」
「気持ちいいなら止めなくていいでしょ?かわいい声出しちゃって」

銀時はただなでることにあきたのか、きゅっとつまんだり、舌でなめたりと十四郎にいろいろなことをしてきました。
そのたびに十四郎は高い声を出し、銀時を喜ばせてしまっていたのでした。
十四郎はなんとか自由になる両手で銀時を押し返そうとします。

「てめぇ何すんだよ!!」
「あのさ、面倒くさいからあんま抵抗しないで欲しいんだけど・・・お、いいもん持ってんじゃねーか」

銀時は十四郎のしっぽについていたリボンをはずすと、十四郎の両腕をそれで縛ってしまいました。

「はずせ、この天パ!てか、食うならさっさと食え!」
「だから、別の意味でって言ってるでしょうがぁぁぁ!!俺、あんたのことかわいいから気に入ちゃったんだよねぇ。名前は?」
「てめぇになんか名乗ってやるか!・・・それでてめぇの目的ってまさか・・・」
「そう、え〜と、じゅうしろう?を抱くことだよ」
「とうしろうだ、バカ!!」

十四郎のカウベルに気付いた銀時はそこに“十四郎”と書かれていたのを見つけました。
名前は教えないつもりでいましたが間違って読まれたせいで、十四郎はつい反射的に名乗ってしまいました。
十四郎は近藤さんがつけてくれた名前を気に入っていたため、間違えられるのがとても嫌なのです。

「抱くってなんだよ!?俺オスなんですけど!!」
「そんなの見れば分かるって。俺はオスメス気にしないから。としろがかわいいのがいけないの」
「俺は思いっきり気にするんですけど!つか、かわいくねーし・・・あぁっ!」

銀時の指が思いっきり十四郎の胸の飾りを摘みました。
痛いようななんとも言いがたい感覚が十四郎を襲い、十四郎は結局銀時に抵抗することができませんでした。



「やぁっ!汚いからそんなとこ舐めんな!!」
十四郎はいつの間にかパンツを脱がされていて、銀時にアレを舐められていました。

「べつに汚くないよ?とーしろーはどこもおいしい味がする」
「ひゃっ、咥えたまま・・・しゃべるなぁ!!」

銀時の舌がいいところにあたり、十四郎はビクッと体を跳ねさせます。
銀時は先端を優しく舐めてやり、ゆっくりと十四郎を追い詰めていきます。

「も、イくっ・・・!!・・・離せ、出るから離してぇ!!」

十四郎は目に涙を溜めながら、縛られている両腕で銀時の頭を必死に押します。
しかしうまく力が入らず、銀時の頭はまったく動きませんでした。

「ホントにイくからぁ・・・んっ、やっ、あぁ!!」

ついに我慢できなくなり、十四郎は銀時の口の中でイってしまいました。
銀時は十四郎から出されたものをすべて飲みこみました。

「ごちそーさまでした」

これ以上ないほどの笑顔の銀時と対照的に、十四郎は盛大に泣き出してしまいました。
これに銀時はとてもびっくりしました。

「え、何、俺下手だった?気持ちよくなかった?」
「初めて・・・ヒック・・・だったのにぃ・・・」

どうやら銀時に無理やり犯されたことがショックのようでした。
十四郎は強気に振舞っていましたが、初めて他人に触られてとても怖かったのです。
銀時はどうにか泣き止んでもらおうとしますが、その方法が分かりませんでした。

「トシーーー!!どこだーーー!!」

そんな時帰りの遅い十四郎を心配し探しているのか、近藤の声が聞こえてきました。
銀時は直感的にここにいてはまずいと思い、十四郎の腕からリボンをはずして服を元の通りに戻すと、

「ごめんね」

と言い、首筋にキスをして森の奥へと帰っていきました。
柵の近くで泣いている十四郎を見つけた近藤は散歩に行かせた自分を後悔しました。
泣いている十四郎に理由を聞いても何も答えず、十四郎はただただ近藤にしがみつき泣くだけでした。
近藤もどう話し掛ければいいのか分からず、抱きしめ返すくらいのことしかできませんでした。
10分後ようやく泣き止んだ十四郎を抱っこして牛舎へと帰りました。


十四朗が泣きはらした顔を総悟に見られたくないと言い張るので、仕方なく近藤の部屋へと連れて行き、2人には昼寝をしすぎて帰りが遅くなったとだけ伝えました。
夜になって、ようやく十四郎は口を開きました。
今日あったことをすべて話し終えるとまた泣き出してしまいました。
近藤はそんな目に遭っていたとは夢にも思っていませんでした。

「トシ、ごめんな、行くのが遅くなって。もう少し早く気付いていていれば・・・」
「違う、俺が1人で森の方へいったから」
「いや、飼い主として失格だよ。まぁ、今度からは1人では行動しないようにしような」
「はい」

その日の夜はなかなか寝付けませんでしたが、近藤に抱きしめてもらうと安心でき、なんとか眠ることができました。


次の日のことです。

「副長、昨日は心配したんですよ」
「土方さん拗ねていったいどこまで行ってたんですかぁ?・・・それと首のところの赤いの何ですかぃ?」
「拗ねてねーから!!・・・て、首のとこ
ろ?」

十四郎はそこを触ってみましたが特に腫れてはいませんでした。
ふと昨日のことを思い出してみると、銀時は別れ際強く首筋を吸ってきた気がしました。
十四郎は思い出しているうちに顔は赤くなり、また総悟にバカにされてしまいました。
怒った十四郎を退が必死に押さえつけているところに、近藤が手に何かを持ってやってきました。

「お前らは本当に仲良しだよなぁ・・・お、そうだ、牧場の入り口に花が置いてあったんだが、なんか知っているか?どこかその辺から抜いてきたみたいで、根っこがついていたままだったんだが」

そんな近藤さんの言葉を聞き、十四郎はなんとなくあのトラが昨日のお詫びにと置いていったように感じました。


十四郎はまだあのトラのことを怖く思っていました。
ただ、自由にこの世界を駆ける銀時というトラに少し興味を抱いたのは確かだったのです。

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