拍手お礼小説

□心地よい重み
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スー、スーと規則正しい寝息が聞こえる。
それは俺の下、正しくは膝の上からだった。

「かわいい顔しちゃって」

寝顔はいつもより幼く見えて。
なんだか守ってあげたくなってしまう。
それは俺と一緒に居る時だけに見せてくれる顔なのか。
ふと悪戯心が芽生えた。
でも疲れてるであろう彼を起こしたくはないので、そっと頬をぷにぷにといじるだけ。

「んんっ」

それでも嫌だったみたいで顔をしかめて、俺の手から逃げようとして、顔を俺のお腹の方へと向けた。
なんだか彼の暖かい寝息がお腹に感じられるような気がした。
今度はそっと彼の指に手を伸ばす。
日に焼けた健康的な肌の色に、長い指。
何人も人を殺してきたようには決して見えない。
彼はこのきれいな手で自分の守るべきものを守っているのだろう。

(じゃあお前を守るのは誰?)

自分自身?
いや、仲間のためなら喜んでこの男は自分の身を差し出すのだろう。
そんなところまで自分と似ている気がして。
だから会う度に喧嘩しちゃうのかなぁ。


膝に心地よい重みを感じながら、そっと目を閉じる。
いつまでもこの重みを感じられますように、と願いながら。

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