物語

□アビスBL
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☆青天の霹靂


「アッシュ、好きだ。」
アッシュは突然のルークの告白に目を見開いた。
正直、自分はルークに好かれるような事は一切してない。
いや、逆に関わりたくないと思われるのが普通な事をした自覚はある。
名前さえ一度も呼ばず、八つ当たり的に怒鳴り、罵倒したのだ。
それが何故こうなる?
「アッシュ。大好きだ。愛してる。」
真顔で再び愛を告げ、アッシュを抱きしめた。
「お、落ち着け!?レプリカ!!何がどうなって、そうなった!!!」
アッシュは混乱しながらも、この場をどうにかしようと考えた。
ついでにルークの腕から逃れようともがくが、能力は劣化しているのに筋力は勝っているルークから離れられない。
そんなアッシュを逃がすまいとルークは一層腕に力を込める。
「最初は同じ顔してるアッシュが気持ち悪くて、凄く嫌だったんだ。でも同時に、髪や眼が誘拐前は父上や母上と同じで、もっと濃い色だったって聞いてて、こんな色だったのかなってアッシュの事ばかり思い出したんだ。」
もがき疲れたアッシュは、ルークの力が弱まるのを待ちながら話を聞く。
だが、段々嫌な方向に向かっているのが判り、顔色が悪くなる。
「で、思い出す度にアッシュの髪を触りたくなったり、ジッと眼を見てたいって思って。」
これ以上聞いてはいけない。
アッシュの本能が警鐘を鳴らす。
「最近はこうして抱きしめたいとか、キスしたいとかずっと思ってたんだ。」
「それは勘違いだ。思い違いだ。有り得ない。ゼッッッッタイ違う!!」
聞くに絶えなくなったアッシュはまた暴れ出した。
「違わない。アッシュの名前は言わなかったけど、ガイやジェイドに相談して、これが恋だって教えて貰ったんだから。」
あの眼鏡と使用人、余計な事を教えクサりやがって!!!
アッシュの怒りは爆発寸前だった。
「だから、アッシュ。俺と付き合ってくれ。ずっと一緒に居たいんだ。」
アッシュは混乱と怒りでルークの話を聞いていなかった。
そんなアッシュに気付いたルークはアッシュを壁に押しつけ、利き手でアッシュの頬に触れる。
そこでやっとアッシュもルークの様子に気付いた。
「レ、レプ…?」
「アッシュ、大好きだよ。」
ルークはアッシュにキスをした。
押しつけるだけのキスだったが、アッシュを大人しくさせるには充分だった。
アッシュは、もう何をどうしたら良いのか判らなくなった。
キスの間、男同士とか、貴族が何を言っているとか、それより何より、オリジナルとレプリカ…完全同位体なのだから、ほぼ全てが一緒なのだから、ただのナルシストの極みではないのか、とか光速で色々考えていたが、言葉には出来ず、動揺がピークに達し、アッシュは意識を失った。
その時、最後に見たのは自分そっくりなレプリカの男の顔だった。









初BLです。
何だか凄く微妙になってしまいましたが、恋愛自体が苦手なので、これが限界です。
時間軸は決まっていません。
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