夢の世界へいざ行かん!

□中学生日記
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「ふーん、何勢揃いで来てんだと思ったら久々に学校見に来たの。」

弟くんを先頭にぞろぞろ校内を歩く。
せっかく来たので思い出巡りです。

「冬樹もしばらく見ない間にまた背のびたんじゃない?」
「まあ成長期だかんねー。」

悠太兄ぃの問い掛けに答えながらも階段を上る女子のスカートの中を覗く弟くん。

「冬樹…マジでお前しばらく見ねえ間に健康に育ったな…。」

ホントだよ。
珍しく要と意見一致。

「あーそうそう。超健康なんだよね、エロ本かしてよ。」

堂々とし過ぎじゃないかね。
一応女子いますけど?

「てゆーか要、エロ本持ってんの?」
「なっ…に聞いてんだお前っ!」
「いやー千鶴は完全に持ってそうだけど要はどうかなって。」
「ちげーよ!そう言う事言ってんじゃなくて…っ!」
悠「こらこら、女の子がそんなこと聞かないの。」
祐「ミュウ、要はむっつりスケベだから絶対持ってるよ。」
「マジか。」

祐悠「危険だから近付いちゃだめだよ?」

「いえっさー。」

敬礼ポーズするとよしよしと二人が頭を撫でてくれた。
後ろでわなわな震えてる要には近付きません眼中にも入れません。

「あ、これ友達に聞いたんだけどさ、女の子の胸って二の腕の感触と似てるってほんと?」

弟くんがさらっと問い掛ける。
でも残念、彼らから正解が出ることはないでしょう。

緊急会議を開いた男性陣に白けた目を向けていると、千鶴がバッといきなり振り向いて肩を掴んできた。

千「ミュウ…っ、触ってもいブガァっ!」
要「いーわけねえだろ!!」
悠「昆虫。」
祐「害虫。」

「………。」

一瞬にして沈められた彼に同情の“ど”の字も出てこない。

「んだよ全員まだかよ。あーあ、いろいろ聞こうと思ったのになあ。オレ最近彼女できたから。」

ため息を吐いた弟くんは男性陣に大ダメージを与えた。

「へっ、なんだなんだ!ちょっといろいろ知ってて彼女もいるからって年下のくせにえらそうにしないでください!!」
「敬語になってんぞ。」

あらゆる所からの攻撃で頭から血を流しながら叫ぶ千鶴に要が突っ込む。

「ちくしょー見せろその彼女とやらを!どこだ!今どこにいる!」
「なっ、なんでそこまで見たがんだよ!」

ホント、転んでもただでは起きないって、千鶴くんの為にある言葉のようだよ。

渋々ながらも写メを見せてくれようとする弟くんだが、

「こら松岡くん!また学校にケータイ持ってきて!ダメって言ってるでしょう!」

タイミング悪く先生が現れて弟くんのケータイを没収してしまった。

そっか、最近の中学生はケータイ持ってるんですね、今さらですが。
自分の時はこんなに厳しかったかと思っていたが、そりゃあ学校も厳しくなるわけだ。

唖然とする弟くんなんて露知らず、千鶴や兄二人は彼女さんを見せて見せてとはやし立てたのでした。





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