夢の世界へいざ行かん!

□中学生日記
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おお…。
懐かしの我らが中学校。













「おっせーよ春兄。」

春ちゃんのカバンに彼の弟のノートが入っていたとかで、中学校まで届けに参りました。

「遅いって冬樹、これでも急いで来たんだから。」

相変わらず性格の似てない兄弟に懐かしさを覚えながら眺めていると、横で千鶴の低い声が聞こえてきた。

「……ちょっと祐希くん。これのどこが似てるって?」

可愛い春ちゃんとその弟くんが似てると聞いてテンションをMAXまで上げてきた千鶴だったが、期待は大きく外れて可愛い弟くん像はガラガラと崩れたもよう。

「え?似てるじゃん髪質とか。」

似てる宣言で千鶴を持ち上げた祐希は、何が違うのと言うようにケロッと答えた。

「バカヤロオ!オレはそんなピンポイントな話してねえんだよ!」

いつもの如くギャーギャー騒ぎ出した千鶴くん。
さすがに気付いたのか春ちゃんと話していた弟くんがふと千鶴を視界に入れる。

「つかそこの変な頭のお前、誰?どこ中?」
「中学生じゃねえ!」
「昆虫?」
「もっとちげえ!」

ナイスコント。
君たちいいコンビになれると思います。
てか千鶴くん、髪型めっちゃバカにされてるけどそこは突っ込まないんだね。

「あ…っ、」

そんな二人を眺めてたら、いきなり弟くんから声がかかった。

「お、まえっ!浅羽心結だな!?あん時はよくも純情な俺の心をもて遊んでくれたな!?」

ビシッと指をさしてそんなこと言うもんだから思わず首を傾げてしまった。

「忘れたとは言わせねぇぞ!浅羽心結!」
「ええ…忘れた。」
「なんだとコラァァ!!」

掴みかかってくる勢いで距離を詰める弟くんを春ちゃんが必死に止める。

「ちょっと冬樹落ち着いてーっ!」
「おまえ…なにしたわけ?」
「なにって言われても。」

記憶に御座いません。
素直に言えば要が呆れた顔をする。

「もしかしてミュウ、あれじゃない?付き合ってって言われて、いーよどこまで?みたいな。」
「んなベタな!」

祐希の考えを千鶴が馬鹿にしたように笑ったが。

「あー…言わてみればそんな気が。」
「マジか!」

記憶の奥底にそれとなーくそんな記憶が…、

「あるよーなないよーな。」
「んだよ!どっちだよ!」

千鶴くんさっきからツッコミ絶好調です。

「なんだよ、マジで忘れてるとか…。」
「まあミュウにそんなこと期待するだけ無駄だってことですよ。」
「ゆっきーそんなこと言っちゃっていーのー?実はミュウにだって彼氏の一人二人いるかもよー?」

「「捻り潰す。」」

弟くんが落ち込んでる横で、悠太兄ぃと祐希に腹パンされた千鶴が泡を吹いて倒れた。

「え、なに。どしたの悠太兄ぃ祐希。」
「馬鹿ザルはほんっと一言多いな。」
「お、れ…、忘れられてて良かったかも…。」

要が千鶴に憐れみの目を向け、弟くんは顔を真っ青にする。
何故だか分からないけど泡を吹いている千鶴くんは、記念に写メっておくことにしました。





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