夢の世界へいざ行かん!

□番外編 花代さんといっしょ
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「って聞いてないですよ。」

―言ってないもの。

「出た、花代さんの屁理屈。そんなだから彼氏出来ないんですよ。」

―…あんた、そんなこと言う為に電話してきたの?

「違いますけどー。だって花代さん…、この間まで普通だったのに…。」


学食辞めて美容師になるなんて聞いてない。


―悪かったわよ、何も言わなくて。でも、心結ならいいと思ったの。

「私の扱い雑すぎて泣けてきます。」

―じゃなくて!心結なら、こうして連絡も取れるし会おうと思えばいつでも会えるし。

「…一人暮らしでしたっけ?」

―そ。だからいつでも遊びに来なさい!

「……。」

―なんなら私が髪切ってあげてもいいけど?

「あ、それは遠慮しときます。」


花代さんみたいに跳ねちゃうのやだし。
そう言えば、電話越しで怒る声。


「絶対、遊び行きますから。」

―待ってるわね。

「それまで浮気しないでくださいよ?」

―だからたまに出るその男のセリフは何なのよ?

「ふふ。」


急に居なくなった学食のマドンナは携帯越しに存在していて。


―ああ、そうそう。浅羽祐希ってあんたの兄だったのね。

「ゆーき?そうですけど…何か?」

―あー、いや、ちょっとね。お皿貰ったから、お礼言っといて。


「祐希がお皿を…。」


なるほど。
そうゆうことでしたか。


「必ず伝えます。」










長い長い道のり。
楽しいことや辛いこと。
悲しいことや嬉しいこと。

出会いがあれば別れもある。

それでも別れた相手が思い出してくれるなら。
自分が忘れずにいるのなら。

必ず別れは繋がって。

再び出会いとなるだろう。


再会を信じながら。

今は。

また、ね。





END.
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