夢の世界へいざ行かん!

□番外編 花代さんといっしょ
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「あー………また、迷った。」

転入してから4ヶ月。
まだまだ校内はダンジョンに見えてしまうようです。












休み時間。
ちょっと飲み物買ってくるねと茉咲ちゃんに告げたのはほんの数分前。

何度か利用したことのある自動販売機へ足を運ばせたつもりが、一体どうしたらこうなるのか。
しかも初めての道ではない。
だいぶ歩き慣れた校舎内でだ。

「どうしよう、さすがに自分にガッカリしてる。」

このままじゃ飲み物どころか教室にさえ戻れない。
キョロキョロと辺りを見渡すと“学食・購買”という札が目に入った。

「あー、とりあえず、飲み物は、買える?」

休み時間も残りわずか。
さすがに学生は一人もいない。
てゆうか人の気配しないけど。

「…スミマセーン。」

人気の無いカウンターに声を掛けてみると微かに聞こえる女性の声。

「はーい?」

声が近くなって姿が見えればビックリ。

「オネーサン、素敵ですね。」

綺麗なオネーサンが現れた。

「へ?あ、ありがと。」

あ、でも後ろ髪跳ねてる。
寝てたのかな。

「で、あなたはどーしたの?何か買う?」
「あ、飲み物…は、もういいや。オネーサン、お名前は?」
「え?花代だけど。なによ、何も買わないの?」
「私は心結と言います。花代さんのアドレスを買いに来ました。」
「はあ?」

ぽかん、とする花代さん。
ちょうどその時、休み時間の終わりを示すチャイムが鳴った。

「心結、って言ったっけ?あんた授業行かないの?」

そう、休み時間の終わり、つまりは授業の始まりである。

「そうなんですよね。行かなきゃなぁ。」
「行く気ある?」

あまりにも心が込もってなかったのか、花代さんがすかさずツッコミを入れてくれた。

「実は最近転入してきたばかりで教室への帰り方が分からないんです。」

と言っても悠に4ヶ月は経っているけど。

「あー、道理で見ない顔だと思った。」
「以後お見知りおきを。」

ペコリとお辞儀をすれば、キョトンとした花代さんはその後、大きな口を開けて笑いだした。

「あっはははは!あんたっ!変な子ねー!1年?」
「あ、はい。」
「なら大丈夫ね。座って!」
「え。」

何が大丈夫なのだろうか。
しかも座ってって長居させる気満々じゃないですか。

「普通、授業行きなさいとか言いません?」
「なに、言って欲しいの?」
「いや、むしろ大歓迎ですけどね。」
「ぶっ…!」

また笑いだした。
何だろう、愉快な人だ。

「あんたってホント面白いわね!初対面でいきなりアドレス聞くし、男が女タラシ込むようなセリフばっかり言うし!あんたが男だったら確実に股間蹴ってたわよ!」

恐…っ。

「男じゃなくて良かったです。」
「そうねっ。じゃあ心結!次の授業まで私の相手になってちょうだい。ちょうど暇してたのよ。」
「そうなんですか。私で良ければ、喜んで。」
「ぶふっ!」
「ちょ、また笑いますか。」





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