夢の世界へいざ行かん!
□colorless blue
4ページ/4ページ
数日後。
コンビニでお皿を交換した帰り道。
ああ、早く家帰って祐希に自慢したい。
彼の性格上きっと素直には負けを認めないだろうけど。
そう思って足を早めた矢先、横断歩道の前で立ち尽くす祐希を発見。
ちょうどいいところに。
「ゆーきー。」
「…ミュウ。」
「見て見て、お皿ゲットしたよ。祐希より早かったから約束通りマンガ一冊買ってくださいね。」
「………。」
………あれ。
思った反応と違って小首を傾げる。
「わ、」
だんまりな祐希がスッと近づいてきたと思ったら、いきなりギュウと抱き締められた。
「……あの、祐希さん?」
ええ、どうしたんですかこの方。
ギュウギュウ抱き着いてくる祐希にハテナマークばかり浮かぶ。
「ミュウ。」
「…なんですか。」
「………なんでもない。」
「えええー、」
結局そうなんの?
「………。」
しばらく離してくれそうにない祐希に小さくため息をついて、その背中にそっと手をまわした。
まあ、こんな祐希珍しいからもうちょっとこのままでもいいかな、なんて。
花代さんが学食を辞めたことを知るのは、もう少し先。
END.