夢の世界へいざ行かん!
□colorless blue
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念願の…
「学・食っ。」
購買利用で何度か来たことはあるけど、学食利用となると見える景色が何か違う。
「学食ですよ茉咲ちゃん!何食べます?」
「何よ、あんた珍しくテンション高いわね。」
「嬉しいことづくしですからね。茉咲ちゃんのおかげでシールも集まったし、お皿交換して祐希からマンガ買ってもらえるし、学食食べれるし、」
「で?科学のテストもいい点取ったってか?」
「………………。」
券売機の前で話込んでいると背後から知った声が。
まあ、言うまでもなく。
「バ要………。」
仕方なく振り返ってみれば予想通りの人物たち。
「しゅ、春ちゃん…っ!」
「こんにちは、茉咲ちゃん。茉咲ちゃんたちも学食ですか?」
「う、うん!心結がどうしても行きたいって言うから仕方なく!」
うん…まあ、間違っちゃいないですけどね。
ちょっと寂しいよ茉咲ちゃん。
「で?どうなんだよ科学の点数は。追試か?」
「オレっちと一緒だよな!」
ニヤニヤする要に背伸びして肩を組んでくる千鶴。
そんなに人のテストが気になりますか。
でもまあ、
「内緒。」
「はぁー!?ずりぃぞミュウ!」
「なんで教えなきゃいけないんですか。」
「勉強見てやったろーが!」
「途中放棄したくせに。」
「あれはおまえが余りにも出来ないからだ!」
「そんなこと言われてもねー。」
キーキー言う2人をからかっていれば思わぬ人物からあっさり答えは出た。
「86点だったよね、確か。」
「…悠太兄ぃ。」
「別に悪い点数じゃないんだからいいじゃない。良く頑張ったよね。」
よしよしと頭を撫でてくれる悠太兄ぃ。
もうちょっとからかって遊びたかったのに。
むう、としながら騒いでた2人を見ればこの世の者とは思えない形相をしていた。
「はっ、はちじゅうろくてん…っ!?」
「天変地異の前触れか!?」
「要、失礼って言葉知ってる?」
ありえねぇ!!と声を大にして叫ぶ2人に少し腹が立った。
「心結だって頑張ったんだから。ね?」
「うん。悠太兄ぃが教えてくれたからすんなり頭に入った。」
悠太兄ぃのおかげ、と言えばピクリと反応した要。
「オレも教えてやったんだけど?」
「要の声は全然頭に入んない。」
「ああ!?さんっざん教わっといてふざけんな!」
「まあまあ、結果だしたんだからいいじゃない。」
「悠太!おまえが甘やかすから…!」
うんだらかんだら。
要がごちゃごちゃ言ってるけど知らないもんね。
人をバカにした仕返しだ。
千鶴に至ってはすでに大ダメージを受けてるみたいだから放置。
「さて。なに食べよーかなー。」
要の怒鳴り声をBGMに券売機とにらめっこした。
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