夢の世界へいざ行かん!

□陽だまりの詩
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学校を抜け出し、陽だまり幼稚園に到着です。
柵からひょこりと覗けば、部屋の中にかおり先生は見えるも悠太兄ぃたちはいない。

「?」

首を傾げつつも、懐かしいかおり先生と早く話したくて、不審者よろしく部屋に近付く。

「かっおり先生〜。」
「あらもしかして心結ちゃん?久しぶりねぇ!」
「お久しぶりですー。」

突然の訪問にも関わらずすんなり受け入れてくれた。
悠太兄ぃたちが来てるからかな。

「心結ちゃんたら綺麗になったわねぇ。」
「いやいや、かおり先生こそ。よかったらアドレス教えていただけません?」
「え?」
「や、なんでもないでーす。」

さすがに恩師にまで手を出すのはマズいかもと、考えを改める私はえらいと思います。

「かおり先生、悠太兄ぃたち来てますか?」
「来てるわよ。でも今姿が見えないのよね。」

疲れて逃げたかな。
彼らならありえる。

「心結ちゃんはどうしてここに?」
「あー、ちょっと社会科見学に…。」
「?そう。」

深く追求してこないかおり先生に感謝です。

「そうだわ心結ちゃん。ちょっと悠太くんたち探してくるから、少しの間子どもたち見ててもらっていいかしら。」
「え、マジですか。」

部屋を走りまわっている子どもたちを見れば、“少しの間”も一緒に過ごせる自信もわかない。

「ダメかしら?」
「あー…と………、あ。あれ、借りられます?」
「え?ええ、前の先生が置いていったものだから使えるかわからないけど…。」
「んー、オッケーです。使えます。」
「そう、それじゃあお願いするわね。」

部屋を出て行くかおり先生を見送って、借り物を手に取る。
軽く音を合わせてから子どもたちを見ると、興味津々と言った様子でこちらを見ていた。

「えーと…、じゃあ、やりますか。」





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