夢の世界へいざ行かん!
□on your mark
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パシャ、
パシャ、
パシャ、
パ
「ちょっとちょっと心結さん?」
「なんでしょうか、しらゆたひめ。」
パシャ。
「…写真撮りすぎ。」
「今度はツーショットね。」
「…………。」
呆れた顔をしながらもしっかりとカメラ目線のピースをいただきました。
只今、“めるへんきっさ”なう。
「いやー、悠太兄ぃ美しすぎるよ。待ち受け決定。」
「まったく…。」
「でも心結ちゃんの気持ちもわかりますよー。悠太くんすごく綺麗ですもん。」
「とか言う春ちゃんもかわいすぎますけどねー。」
パシャ、パシャ。
「そ、そうですか?」
「ハニカミもかわい〜。」
パシャ。
春ちゃんを存分に撮ったら、再び悠太兄ぃにロックオン。
「こーらそこのブラコン。」
「あ、鬼○郎だ。」
パシャパシャ撮っていたら、鬼○郎の祐希と花子さんの千鶴がやってきた。
「悠太きれー。」
「はいはーい、しらゆたひめと鬼○郎の異色ショットいきますよ〜。」
「「ぴーす。」」
「今度私も入れてー。はい千鶴カメラ。」
「さも自然に人をパシるなこのアホ兄弟妹!」
「「「いえー。」」」
「いえーじゃねえっ!」
ピースした私たちに怒鳴り散らしながらもしっかりシャッターを押した千鶴くんは、ふと奥のテーブルに気付く。
「あり?メリーだ。」
その視線の先には劇の台本を読む茉咲ちゃん。
千「なーにやってんだお前。」
悠「ああ、茉咲ねえ、ずっとここでセリフの練習してるんだよ。」
千「へー。」
祐「ミュウは練習しないの?」
「テスト直前に焦って教科書見るようなもんですからね。それにセリフなんかより大切なものが目の前にありますから。」
そう言って悠太兄ぃに抱きつく。
「しらゆたひめ、私が王子でもいいですかね?」
「むしろ心結にはお姫様をやってもらいたいけどね。」
何を言うか。
私が姫なんて柄じゃないのわかってるでしょうに。
茉「い…っ、」
そんなことを思っていると、茉咲ちゃんから小さな悲鳴があがった。
千「おおお、なんだどうした、紙で指切ったか。」
千鶴くん、なんでキミがそんなに慌ててるの。
千「んっとにドジだなあ、お前は。ホレ、保健室行くぞ。バンソコまいてやるか…ぶへっっ!!」
あ、茉咲ちゃんに鳩尾蹴られた。
親切な千鶴くんがいきなり蹴られたわけは、
「…あー、春ちゃんか。」
春「どっどうかしたんですか?」
茉「なっなんでもないの、なんでも。ドジなんかしてないの。」
飲み物を取りに行っていた春ちゃんが戻ってきたからで。
そんな春ちゃんにドジなところを見せたくなくて、思いっきりちーさんは蹴られた、と。
「報われないね、千鶴。」
息絶えた千鶴をツンツンしながら言った。
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