夢の世界へいざ行かん!
□on your mark
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ピロリンとケータイが受信を知らせる。
From 祐希.
「……うっわ、アホ面。」
カコカコ、
「転送〜。」
To 日紗子ちゃん.
要の寝顔チェンメのごとく、です。
「茉咲ちゃん茉咲ちゃん。お化け屋敷行こ。」
文化祭二日目。
お化け屋敷に渋ってた茉咲ちゃんも、春ちゃんの名前を出せばイチコロだった。
春「う〜〜〜暗くてよく見えないよ〜〜。」
悠「はいはい。ちゃんと歩いて大丈夫だから。」
暗闇で悠太兄ぃの後ろをおどおどついて行くのは、春ちゃんと茉咲ちゃん。
「悠太兄ぃ怖いよー。」
「棒読みですけど。」
悠太兄ぃの腕にギュッとしがみついて、頬スリをする。
「悠太兄ぃスキだよー。」
「こんな所で告白されても。オレも好きだよ。」
なんだかんだ言いながらも、よしよしと頭を撫でてくれる悠太兄ぃ。
あー、暗いし心地良いし眠くなってきた。
「こんなとこで寝たらただの死体だよ。」
あれ?エスパー?
「あ、悠太とミュウだ。」
声に振り向けば、
春「わ゛ーっっ祐希くんの生首ーっっ!」
暗闇に浮かんだ祐希の顔が勢い良く近付いてきた。
千「花子さんだぞーっっ!」
要「おいだめだって、こっち逆そ…、」
春「わ゛ーーーっっっ!」
千鶴と要も出てきて更に逃げ惑う春ちゃんは、さぞかし脅かしがいあるだろうな、かわゆす。(要に至っては脅かしてないのに怖がられてる、ぷぷ。)
「それより祐希、」
悠「なんでちゃんちゃんこ着てないの?」
祐「こっちのがより闇と一体化できるかなって。」
「えー、それじゃ鬼○郎じゃないよー。」
祐「ちゃんと着るって。」
「目玉の父さんは?」
祐「家出中。」
悠「なに?茶碗に冷水注いだの?」
祐「ううん、熱湯注いだら真っ赤になって出てった。」
「あちゃー、それ絶対怒ってますって。」
悠「大火傷で病院行っただけじゃない?」
要「つーかお前らどうでもいい話してんじゃねぇよ。」
後ろからお客さんの声がしてきて、早く進めと要に促される。
祐「あー、オレも行くー。」
千「花子も行くーっ。」
要「おめーらはおばけだろが!」
要のツッコミを背に、ぞろぞろとお化けを引き連れて退室するのでした。
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