夢の世界へいざ行かん!

□naked king
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「あーあー、なんでうちは劇なんでしょー。」

文化祭関連の資料を運んでる時、ついポロッと本音がこぼれた。

茉「文句言ってないでさっさと歩きなさいよ。」
「だーって、茉咲ちゃんも思いません?おばけやしきや男女逆の喫茶店…。これぞ文化祭って感じですよ。」
茉「だったら話し合いの時に言えば良かったじゃない。」
「あの時はそれどころじゃなくて。」
茉「…ああ、例のブラコン事件ね。(りんごのとなり参照)」
「ブラコンじゃーないです、兄が大好きなだけです。」
茉「それをブラコンって言うのよ…。」
「あー、悠太兄ぃが女装かぁ。綺麗だろーなぁ。」
茉「…そうね。」
「春ちゃんも絶対可愛いよねぇー。」
茉「……。」
「見に行こうね。」
茉「そ、そんなに行きたいなら行ってあげてもいいけど!」
「…素直じゃないなぁ。」
茉「なんか言った!?」
「いーえ、なーんにも。…あ。」
茉「え?」
「あー、見ない方が…、」

バサバサ…ッ
資料を落として唖然とする茉咲ちゃん。

わかります。
いや、いくらなんでも要が春ちゃんゴーカンしようとしてるなんて、いや、うん、思いたくないですもん。

茉「最っ低!!あんた最っ低よ!!」
要「いでっ、いでっ、何勘違いして…っ。」
「やっちゃえやっちゃえー。」
要「てめっ心結!」
「春ちゃんだいじょぶー?て、あれ。」

要を無視して貞操が危うかった春ちゃんの元へ行くと。

「…そーゆーことでしたか。」
千「しーっ!」
祐「ミュウ、内緒ね。」

もぞもぞと2人のスカートから出てくる千鶴と祐希。
隠れるってことは、要を怒らせるようなことをしたんでしょうな。

「てゆーか悠太兄ぃと春ちゃん可愛い。なんでスカート。」

悠太兄ぃに抱きついてすりすりと頬スリする。

悠「当日着る衣装のすそ合わせ。」
「そっかぁ…心なしかいい匂いが…。」
悠「こらこら、変態ちっくだからやめなさい。」

頭をぽんぽんされて顔を上げると、ちょうど千鶴の悲鳴が聞こえた。(要に見つかったらしい。)














「ええ、また行くの。」
茉「つべこべ言わずさっさと行く!」
「…はーい。」

教室に戻ったら追加の資料を頼まれて、しぶしぶ部屋を出る。

「二度手間…めんどくさい。」

しかも今度は一人。
茉咲ちゃんがいれば気分も違うのに。

ため息をついて階段を上っていくと。

「あ。要くんみっけ。」

段に座って居眠りこけてる要がいた。

「…これはチャンスですな。」

起きる様子がない要に、ケータイのカメラを向ける。

カシャ。

要「…ん、心結…?」
「オハヨーございます。」

音に反応した要が目を開け、サッとケータイを隠す。

要「…おまえ、今なに隠した?」
「なにも?」
要「嘘つけ!目が泳いでんだよ!」
「要さん要さん。そんなことより何か落としましたぜ。」
要「あ゙あ?」

不良っぽいなーと思いながらも要の手から落ちた紙を拾い上げる。

「えーと、なになに?…“暗幕を、”」
要「!!!!」
「ちょっと、要くんー?」

途端、すごい形相で走り去った要。

「…なんだあれ。」

ひとまずケータイがバレなくて良かった。(後で日紗子ちゃんに送ろーっと。)





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