トリッ腐!!
□トリッ腐スタート!!
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じゃあまた会おう!と足早に夏目と別れれば、その足でひたすらに全力疾走する。
目的地はない。
ただ、駅とか行けたらいいなーと思って走ってます!
しっかし何もないな!
田んぼ、畑、木、林、森。
知ってたけどここまで田舎なのか!
いや、でも夏目のお友達とかレイコさんに化けたニャンコ先生とかゲーセン行ってたよな。
じゃあどこか近くにあるのかな!
今度行こーっと!
「…あ。」
え・き・だー!!!!!
\(^o^)/
……て、
「……何駅って読むんですかコレ。」
漢字苦手。すみません。
「どーしよっかなぁ。」
「何がだ?」
「わっ!」
目の前にブサイクな、いやいや、真ん丸と肥えててプリチーな猫、もといニャンコ先生がヌッと現れた。
「あれ…夏目はどうしたの、ニャンコ先生?」
辺りを見渡しても彼の姿はない。
「夏目は先に帰った。」
「ふーん。で、ニャンコ先生は何してんの?」
問えばニャンコ先生は目をスッと細めて、
「お前、何者だ?」
「―――は…、」
鋭い視線をぶつけてきた。
「何者、とは…?」
「お前からは妖怪の匂いはしない。だが、人間と同じ匂いでもない。近いようだが…何かが違う。」
「え。」
まじか。
匂い違うとか鼻良すぎ先生。
てゆーか今のオレ人ですらない!?
「加えて、お前は嘘をついた。」
「嘘?」
「夏目の後ろにいた妖怪を見た時、お前は“なにそれ”と叫んだ。まるで初めて見たかのように。だが、夏目に妖怪が見えるのかと問われた時、“そこら中にいる、なにかおかしいか”と言った。……矛盾していないか?」
……確かに!
やっちまったな!
うーん、しかしどうするか。
あんまり夏目には話したくないんだけど。
「うーん…、ニャンコ先生には誤魔化し効かなそうなので話すけど……、夏目には言わないでね?」
「何故だ?あいつに聞かれたらマズイことなのか?」
「んー、てゆうか…、」
余計なこと背負わせたくないからさ。
「……それほど厄介者だということかお前は。」
「失敬だなぁ。厄介かどうかは聞いてから決めて欲しいよ。まあ100パーセント厄介に違いないけど。」
「…面倒な奴だ。」
ため息をついたニャンコ先生は、くるりと方向転換しスタスタ歩きだした。
「あ、ちょっと先生ー?どこ行くんですー?」
「着いてこい。立ち話は疲れる。」
「え、先生は座ってましたよね?」
「うるさい!」
「いたっ!」
ひどい、ニャンコ先生に跳び蹴りされた。
「…あれ?ちょっとちょっと先生、もしかしてあれは…。」
「ん?七辻屋だ。ちょうどいい、饅頭でも買って行くか。」
な・な・つ・じ・やーーー!!!!!!
\(^o^)/
「まじかっ!やべっテンションあがる!ありがとう先生っ!」
「礼は饅頭五個でいいぞ。」
「…そっか、そうでしたね!」
ニャンコに饅頭は買えないっすね!
先生が奢ってくれるとばかり思ってた数秒前の自分にグッバイ。
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