トリッ腐!!

□トリッ腐スタート!!
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ーーここは、どこ?

ただただ真っ暗闇。


「 」
「 」


だれ…?

誰かが何かを話している。


「…この子、何してるんだ?」
「賽銭泥棒でもしてるんじゃないか?」
「もしかして妖…?」
「いや、それはない。こやつからは人間の匂いがプンプンするわ。」


あれ…?

この声、どこかで聞いたことが…。


「先生、ちょっと様子見てきてくれないか?」
「放っておけ。また面倒事に巻き込まれるぞ。」
「でも人の子だと言うならなおさら放ってなんかおけないだろ。」
「だったら自分で様子を見てこい。私はパス。」
「…ったくこのブタニャンコ。」
「にゃにおー!お前のヒョロヒョロもやしよりプリチーではないか夏目!」


な…っ!?


「なつベッッ!?」


バキッという音がして頭に激痛が走った。


「っ〜〜〜!」


痛い…!
痛いがそれどころではないような気がする!

今度はぶつけないように気をつけながらゆっくりと頭を起こすが、それでも気持ちは先走り先程のたんこぶへもう一度ダメージ。
しかし精神パワーでカバー!

頭が暗闇から抜けるとオレンジ色の光が目に届いてスッと瞼を細める。
目下に大きく穴が開いた木箱があり、先程までここに頭を突っ込んでいたのだと理解。賽銭箱だ。


「君…大丈夫か?」

「!」


背後から聞こえた声は間違いなく…!


「なつっ………、」


め、と続くはずだった言葉が出てこない。
振り向いたその先には名前通りの彼とその相棒、それから、


「な、な、な、」
「な?」


彼の後ろをプルプルと指差し続かぬ言葉に口が開閉を繰り返す。
眉間に少しシワを寄せた彼が振り返った。


「なななっなーにーそーれーーーーぇぇぇえええええ!!!!!!!??????」

「妖!?」
「チッ、小物め!」


彼の相棒がピョンと跳びはねたと思ったら、


「!まぶし!」


カッと辺りが明るくなって、思わず瞑った目を開けた時には彼の後ろにいた物体はいなくなっていた。





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