棘の道を突き進め!
□きっともう決まっていた。
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コポポ…、
―くぁぁ…。
―キミはほんとう、よくねるね。
―ねるこはそだつっていうらしいよ。
―あぁ…、そういえば“こえ”がいってたね。
―うん。
―あ、また“こえ”がきこえるよ。
ゴポ…、
「あぁ、早く会いたいわ。一体お兄ちゃんはどっちかしら。」
ゴポポ…、
―“おにいちゃん”って?
―さきにここからでたほうが“おにいちゃん”で、“おにいちゃん”はあとからくる“おとうと”をまもるんだって。
―ふーん。…それならさ、きっとキミが“おにいちゃん”だね。
―…なんで?
―なんかそんな感じ。
―なにそれ…。
コポポ…。
―ふぁーあ…。もういっかいねようかな。
―また?そんなことばっかりいって“くるべきひ”においていかれてもしらないよ?
―だいじょうぶだよ。だって、キミはちゃんとおこしてくれる。
―まぁ…そうだけど。
―あぁ、キミの“なまえ”はなんだろう。はやくキミのこと“なまえ”でよびたいよ。
―そうだね。キミのこともよびたいよ。
―ボクはきっと、“おにいちゃん”がだいすきになる。
―ボクが“おにいちゃん”けっていですか。
―うん。
―まったく…、せわのやける“おとうと”だよ。
―ふふ、まあね。
ゴポ、ゴポポ…。
コポ…。
―
――
―――
「――――き、祐希!」
「――……ゆーた?」
「もう、いつまで寝てんの。休みの日だからって寝過ぎだよ。」
「……ゆーた、ん。」
「…なに?」
「ぎゅってして。」
「………はぁ、もう。世話のやける弟だよ。」
「キライじゃないくせに。」
「…………。」
「悠太。」
「…なに。」
「大好きだよ。」
「…ん、オレも。」
「おはよう、悠太。」
「おはよう、祐希。」
HappyBirthday
to悠太and祐希。
END.