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極道の王子様
一回ブログでものせました極道な四天達
〜白石アニキ編〜←笑うところ
「極道なめたらあかんで、なあ?」
遠山会若頭筆頭、白石が、綺麗な顔を歪め、その若者の顎を砕きかねぬ力でぶん殴る。
骨の砕ける嫌な音が、狭い室内いっぱいに響いた。
「うちのオジキは俺ほどやさしゅうないで。お前…名前なんやったかな?」
「…げほ、」
「何や、自分の名前も言われへんのか?けったいなやっちゃなあ、わざわざ人ん島まで乗り込んできよって。おい、財前はどこや」
「今来ますわ、兄貴」
「こんボンクラあいつに回し。何ぞ吐くかもしれん」
「承知しました」
まだ若いのに口は固いなあ、命っちゅーもんもっと大事にせえ、と若者に呟き、白石は部屋を出た。
真っ暗な小屋だ。
まるでそのためだけに作られたかのような部屋。
「おう白石」
「…なんや謙也か」
「財前がいらちわいとったで。なんやお前、あいつんとこ仕事回しすぎなんちゃうか」
「しゃーないやろ、俺もお前も暇なしやさかい」
ため息をつく。チンピラと言われればそれまでの自分たちだが、そんな人生も悪くはないと思うのは、どうしてだろうか。
答えはただ一つだ。この生き方に、自分を育てたこの世界に、誇りをもっているから。
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