幽霊相談事務所
□幼い頃の夢
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「?」
前にお兄ちゃんも同じことを聞いてきた。私には、この質問の意味が理解できない。
「見えるも何も、おじちゃんは此処に居るでしょ?」
『……』
暫くまじまじと私を見た後、おじさんはポンッと私の頭の上に手をのせてきた。
深く皺の刻まれた手。大きいけれど、何処となく冷たいような感じがした。
『はは……生きている人に話しかけられるなんて、死んでからは初めてだよ。お嬢ちゃん、名前は何て言うの?』
わっしゃわっしゃと無造作に頭を撫で回される。そのせいで折角お母さんに結ってもらった髪がボサボサになってしまった。
「早川美風! この前やっと7さいになったんだよっ、良いでしょ〜?」
『美風ちゃんかぁ……もしかして、迷子になったのかな?』
「うんっ。ちょーちょ追いかけてたらお父さん達とはぐれちゃった」
『へぇ〜……』
ニヤリ……
おじさんの口角が一瞬上がったような気がする……気のせいかな?