幽霊相談事務所
□青年の秘密
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私は見守ることにした。
っていうか……こんなところで" 殴る "とか" 抱き着く "という選択肢が思い浮かんだ自分が恥ずかしくなってきた。あな恥ずかしや。
『――……』
青年は己の死体を黙って見下ろしている。
……自分の死体を見下ろす時とは、一体どういった心境になるんだろうか。
『……やっぱり雨でびしょ濡れか』
やがて諦めたように溜め息を吐くと、青年はしゃがんで死体の心臓部に向かってゆっくりと手を伸ばす。
その彼の青白い手は、そのまま死体を通過して……―――
「!?」
そして、私は信じられないものを見た。