幽霊相談事務所

□青年の秘密
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まともに前を見ず考え事をしながら歩き続けた結果、私は楠木に顔面から衝突――そして私の目の前で星が数個弾けた。






「ぁぅぁぅぁぅ……☆」


『" ぁぅぁぅ "とか言うんじゃない。アシカじゃないんだから……』






青年は前に視線を向けたままピシャリと言い放つ。その言葉に若干凹みつつも私はぶつけた鼻を押さえ、彼の視線と同じ方向を見やる。




そして―――




「っ!!」




直ぐ様青年の背後に身を隠した。




私の目に飛び込んできたのは……先程の、青年の死体。あの時私が揺らして倒したまま、一ミリも動いていない。





―――どうしてあの時、直ぐに気付かなかったんだ。



生気のない肌、紫色の唇、全く動かない上半身、そして……何処と無く醸し出されている不気味で冷たい雰囲気。


何処をどう見ても死体じゃないか。






「っ……ひぇ……」







恐ろしさに震えている私をそっちのけで、青年は死体に向かって歩き出した。



(ちょっ……!)







→取り敢えず見守る!
 ムカついたから殴る!
 怖いので抱き着く!



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