幽霊相談事務所
□幽霊相談事務所
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「コ■助ェェェエエエエ!!!!!」
バリバリバリ────ッ! と今にも割れそうな程窓ガラスが揺さぶられ、家の近くで羽を休めていただろう小鳥たちがピョピョッと慌てて飛んでいく鳴き声がする。
そして窓際の花瓶に挿してある百日草の花びらが2、3枚ヒラヒラと舞い落ちた。
……いやぁ、声の振動って此処まで来ると凄いね。
男の子は豆鉄砲を食らったかのような顔で私をガン見している。
『お姉さん、急にどうしたの……?』
一方、青年は両手で耳を塞いだ状態で、わなわなと肩を震わせていた。
『いきなり大声で叫ぶな、只でさえこの家ボロいんだから……』
「あっ、すみませ……いや、そんなことより!」
私は言葉を途中で打ち切り、自分の荷物に駆け寄って鞄のチャックを開く。
「もしかして、これ……」
私は鞄の中から無造作にソレを掴んで、勢いよく外の世界へと引っ張り出した。
『あ』
ソレを見た途端、男の子はポカン……と目を見開く。