幽霊相談事務所
□夏の始まりと出会い
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キーン コーン カーン コーン……──
四時間目のチャイムが鳴り終わると同時、教室がざわざわと騒ぎ出す。そして一人一人気ままに席に着くと、友人同士や恋人同士でいそいそとお弁当を食べ始める。
「あっ、そうそう美風っ。アンタにお勧めの物件があるんだけど」
彩花はそう話を切り出すと、箸と弁当箱を一旦机に置き、一枚のチラシを私に差し出してきた。
「……何これ?」
「美風さ、夏休みになったら一人で遠出したいって言ってたじゃん? だからこの場所だったら超格安で……」
彩花の話を適当に聞き流しつつ、私はそのチラシを受け取り軽く目を通す。
……瞬間、私はギョッと目を剥いた。