幽霊相談事務所

□心の闇
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『本当に心からそう思ってるの……?』



(……!)



――背後に気配を感じる。


振り返った先、暗闇の中からスッと姿を現したのは、紺色のブレザーにスカート、赤いネクタイをした黒髪の女の子だった。服装や顔立ちからして、私やヒイラギ君と同い年ぐらいだと思われる。

何が可笑しいのか、黒髪から覗く紫色の瞳を細め口元にはうっすらと笑みを浮かべている。



「……どういう事?」


『言葉の通り。あなたは本当に今の状態で満足なのかなぁって思って』



ゆったりとした話し方、そして若干垂れ気味の優しい印象を受ける目元……その面差し、何処かで似たような人を見掛けたような。

私の訝しげな視線も気にした様子なく、少女はそのまま飄々と言葉を続ける。



『周りの人達が慕ってくれているのは、いつも能天気に笑っているあなたの姿。本当のあなたを知ったら、皆どんな反応をするでしょうね?』


「!?」





まるで私の記憶を見透かしたようなその発言にドキリと心臓が跳ねる。

この人、一体何者……?



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